第5話
入学式が終わって1週間。
私は帰り道ドキドキしながら歩いている。今日こそお母さんに言おう。
お母さんがパートの仕事から帰っていた。
「お母さん…私、吹奏楽部に入りたい」
「えっ?だってあなたバスケ…」
「ず~っと考えてた。本当は音楽がやりたいの」
お母さんは驚いていた。
「本当は…?だってあんなに一生懸命バスケやっていて、いい成績も残して…」
「ごめんなさい。でも本当に音楽やりたいの
吹奏楽部に入りたいの」
お母さんは長い間考えてた。そして「勝手にしなさい!」と言って部屋を出て行った。
その時、なんとなくお父さんの言った事がわかった。これが向かい風か…。
明日は先生に言わなきゃ…向かい風が吹くんだろうな~。
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