さよならイプレ村

「女神様の家残ってて良かったですね」


「ハックのお陰だよ♡」


 あれ、僕何か女神様にやっちゃいました?


 女神様は自分の部屋で服や下着などをバックに入れていた、


「ハック? これからどこに行くの?」


「女神様のご所望であれば僕は何処にでも着いていきます」


「ハック♡」


 女神様は目をキラキラさせながら僕を見ている、できる男ってのはこういうことよ、


「どういうことよハック♡」


 はっ、また読まれた心を、隙あらば、否、好きあらば読んできますね女神様、まっ、そんなところも可愛いんだけどね、


「と言っても私、村からあんまり出たこと無いの、だからハックが決めてよ///」


 僕が決めていいのですか女神様!? では、まず男の夢……やめておこう、女神様なら確かに喜んで着いてきてくれるやもしれない……だがしかし、女神様はお年頃そう14才である、情操教育的にそういうのは悪い……うむ、


「では、女神様、隣国のカキタ共和国に行きましょう」


「カキタ共和国?」


「はい、そうです、あそこはいいところですご飯も美味しいですからね!!」


「はぁ、美味しい?」


「そうです美味しいご飯です!!」


「美味しいご飯……」


 あれ反応が悪いなどうしてだ?


「何かお気に召さらないようですが何か悪かったですか?」


「えっ、んーん大丈夫、ハックが言うのなら私着いていきます♡」


「では、参りましょうカキタ共和国!!」




 カキタ共和国の道のりに入ると、僕は一つ気づいたことがあるそれは、


「僕、まだ武器を持ってない!?」


 それに気づいたのは村からでてほんの30分程だった、なぜならばレッサーウルフの大群に襲われてようやく気づいたからだ、


「ハックのバカぁ、あんな沢山のレッサーウルフ私だけじゃどうにもできないよぉー」


 バカ? バカと言われました女神様、僕はもう自信がありません唯一神である僕の女神様がそんな……って考えてる場合じゃない、いや今回は本当にバカだ、僕に至っては二度目だし、なにやってんだ。


「め、女神様!?」


「なにハック?」


「走りましょう」


「もう走ってるよ!!」


「いえ、僕が女神様を」


 そう言うと僕は女神様の肩に手を回すと同時に膝裏を持ち上げて全力で走り始めた、


「はっ、ハックすごい♡」


 女神様のその言葉が僕のエネルギーになる!! ……のかわからないが女神様とあって僕の能力は飛躍的にあがっている事に気づいた、女神様と同じ速度で走っていたがこの調子ならもっと早く、


「もう少し早く走りますよ」


「うん///♡」


 僕は走る速度を引き上げると、レッサーウルフ達の群れを引き離す。


「さよならイプレ村」


その向こうにある村なら離れていくのを見つめながら女神様は小さく呟いてた。

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