第3話『日本列島を生む!……その②』
誤訳 日本の神話・3
『日本列島を生む!……その②』
☆オノゴロジマから淡路島
イザナギ・イザナミの両神は、前回説明にもたついた矛で、サラダオイルにクラゲがプニプニしているところをコウロコウロ(昔の擬音は面白いですなあ)とかき混ぜて、矛を引き上げ、引き上げた矛から滴った一滴がサラダオイルにクラゲの所に落ちて、オノコロジマができました。
なんとなく『ひょっこりひょうたん島』を思わせる名前ですね。
そこに大きな柱をお建てになって、その柱をそれぞれ逆に回って出くわします。ここからが世界にも稀な即物的でおおらかな性描写になります。
「いやあ、ナミちゃんおひさ~! ところでさ、ナミちゃんの体ってどうなってんの? 男子って平気な顔しながら、とっても興味あんだよね(^▽^)/」
「ウフフ、あたしはね、一か所未完成で、溝になったままのところがあんのよ(n*´ω`*n)」
「え、そーなんだ!」
「そういうナギの体こそ、どうよ?」
「オレね、オレは完成しすぎて、余ってるとこがあるんだ。ね、だからさ、ナミちゃんの未完成で溝になってるとこに、オレのさ余っちゃってるとこ差し込んだら、国なんか出来ちゃうんじゃないかなあ(#^0^#)」
なんというストレート!
この部分を訳して外人さんに言うと、みなさん嬉しそうに笑われます。外国ではキリスト教ができるまで、初めての人間はオオカミの子であったり、大きな鳥の卵から生まれたり(一種のトーテミズム)で、ごまかしております。聖書では、五日半かけて神が大地や自然を創ったあと、泥をこねあげて、自分の姿に似せてアダムが作られています。こんなアッケラカンと性描写しているのは、日本の神話ぐらいではないでしょうか。神代の日本人は大らかだったのですなあ(^▽^)/
脱線しますが、日本には、その昔には歌垣(うたがき)という風習がありました。
春だったか秋だったかのお祭りの夜に、ファイアーストームのように真ん中に火を焚いて、その周りを若い男女がハッチャケて歌い踊り、その間に気の合った男女が一組二組と抜けていき、そこいらへんの薮の中でイザナギ・イザナミと同じ行為に及びます。万葉集だったか日本書紀だったかに、こんな歌があります。
「小林(おばやし=薮)に 我を引入れて せし人の 面(おもて)も知らず 家も知らずも」
実に大らか、そのものです。これ以外にも夜這いの習慣が、歴史的に、ごく最近と言われる明治期までありました。年頃になった娘は部屋を一つあてがわれ、毎夜村の若者がこっそり訪れていたすのです。そのうちに娘は目出度く妊娠します(今なら大問題ですが)両親は大喜びで娘に聞きます。
「で、父親は、いったい誰なんじゃ?」
すると、娘はアッケラカンと指を折ります。
「えと、与作に吾作に喜六に清八……それから……」
名前を挙げられた男子は、全員身に覚えがあるので、女の子の家に呼ばれます。で、娘はルックスや体格、人柄がアドバンテージで、絶対的な指名権があります。
西南戦争(明治10年)の時、夜中に集団で陣地移動するときに、西郷隆盛が、あまりに真剣な移動に、思わず、こういいます。
「まるで夜這(よべ)のごたる」
移動していた真剣な薩摩軍のあちこちから、忍び笑いの声がしたそうです。西郷の人柄を物語る有名なエピソードですが、当時でも夜這いが一般化していた証であろうと思われます。
本題にもどります。
「それ、いよねえ(〃´∪`〃)。ね、テンション上げるために、もう一回りして、あたしの方からコクっちゃうから🎵」
そう言って柱を回って、イザナミの方からコクります。
「う~ん、マブイ男じゃん。よろしくやっちゃおうよ!」
こういうノリでいたして生まれた子が水蛭子(ひるこ)という手足の骨のない子で、葦の船に乗せられて流されてしまいました。
「これは、女子から声かけたんでまずかったんだぜ。今度はオレの方から声かけっから、やり直してみよーぜ!」
と、二柱の神さまはお励みになり、今度は淡路島を生みました。だから、今でも淡路島には「日本最初の島だ!」という精神的な文化遺産があり、島の誇りになっています。
水蛭子のことが気にかかりますが、水蛭子は、その後流れ着いたという伝承が各地にあり、恵比寿信仰のもとになったりしました。
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