第16話 ピアノの先生
ピアノの先生とどのようにして出会ったか。
あるとき、母は弟を抱き、私の手を引いて散歩をしていた。すると、ある家からピアノの音が聞こえてきた。弟が、どうしてもその家に行きたいというので、母が訳を話してその家を訪ねると、ピアノを教えている先生の家だった。話を聞いた先生は、弟はまだ小さすぎるから、じゃあ、お姉ちゃん、ピアノ、やる?と聞いてくれたのだ。これが晃子の思い出だ。しかし、母は、そんなはずはない、ちゃんと調べて訪ねて行ったんだから、という。
確かに、まだ晃子が三歳だったということは、三歳違いの弟はまだ赤ん坊だ。でも、晃子にとって、その日のことは、あまりにも現実に思われて、不思議な出会いが自分とピアノを結び付けたのだと信じたいのだった。
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