到達点

 何を求めるか、何がしたいか、どうありたいか、そういうことを考え始めたのは、恐らく中学生の頃で、自分の手札の少なさに絶望したものである。高校に進学できるとは思っていなかった。名前を書けば受かるようなところがあることは知っていたので、学力の心配はしていなかった。どちらかというと、人間性に問題があったのだ。じゃあ、働くかと言うと、それも嫌で、その頃からだろうか、金が欲しいと意識し始めたのは。


 ただ単に金が多く欲しいというわけではない。生きていける分だけあればよい。どちらかというと、速度が重要だ。さっさと「あがり」たいのである。それと、私にとっての金は目的でなく手段だ。最も重要なことは「ストレスなく生きたい」であり、そのために邪魔なのが「人間関係」と「仕事」であり、それを減らす手段が金なのだ。金が無くとも生きていけるなら、そっちを目指すが、今のところそういう社会にはなっていないようである。


 ともかく、目標は「ストレスのない生活」である。そこを履き違えて、金は稼げるが人目に付くだとか、激務だとか、そういう方向にいかないよう気を付けている。今のところ稼げていないがストレスは少ない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る