苦しみと友になれば苦しみは君を苦しめなくなる

 13歳で病気になり、後遺症で障害者になった時、暫くはそれを受け入れられなかった。病気になったのがなんで自分なのだと。病気になっても後遺症が残らない人も居るじゃないかと。

 数年はどうしても、母親やお医者さんに当たってしまった。

 流石に大人になると人に当たる事はなくなったがそれは「もうしょうがない」と言うような、諦めに近い感情だった。匿名掲示板の自殺スレに入り浸ったり自殺に関する情報等を集めていた。

 数年前、ふと本屋でマインドフルネスの本を買った。元々瞑想や仏教には興味があった。いや、自分はビジネス書としてその本を興味本位で買った。結果、それが良かった。そもそもマインドフルネスとは、精神的な病等を改善するために開発されたプログラムらしい。それがだんだんと「これ、ビジネスにも役立つよね」「他の事にも役立つよ」となっていったらしい。

 まあ、細かい経緯は省略するが私は変われた。価値観が大きく変わった。これまでにも何度か価値観の変化はあったが今回のそれがもっとも役立った気がする。

 そして、障害をかなり前向きに捉えられるようになった。むしろ障害者になったおかげで見えるようになったものもあるなあと。するとそんなに障害の事では悩まなくなった。

 苦しみは、ちょっかいをかけ続けてくる人のようなものかもしれない。それで苦しんだり悲しんだりすれば面白がりイタズラを続けてくる。だが一度友になれば下らないイタズラなどしかけてこなくなるだろう。

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