不幸でも目を凝らせば幸せがある

よくみれば 薺花咲く 垣根かな


 これは松尾芭蕉の名句である。芭蕉は河川敷の小屋に住んでいた。春になるとあちこちで美しい花が咲いている。が、芭蕉の庭には何も咲いてない。まずそこは庭ではない。河川敷だ。まあ、何も咲いていない。芭蕉は少し落ち込んだ。肩を落とし目線が下がる。するとそこには小さくて可愛い花が咲いていた。

 目を凝らさないと見えない幸せもある。

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