第39話 国王様に会いに行こう

 朝くっきーをもふもふむぎゅむぎゅしてから、朝の挨拶をする。


「くっきー、おはよう」


『くふふ、サラ。おはようくまよ』


 そういうと、くっきーが今日のお洋服を出してくれるので、着替えてくっきーを抱っこして食堂へ向かう。食堂へ着くと、ジークさんとレイナさんが居たので、挨拶をして椅子に座る。


 朝ごはんを食べながら、今日の予定を確認する。


「サラ様。本日ですが、陛下がお会いしたいという事で、王城までお付き合いして頂いて宜しいですか?」


「はい、分かりました」


 朝ご飯を食べ終わったら、ジークさんとレイナさんと一緒にくっきーを抱っこして王城へ向かう。王城に着くと、いつもの部屋に通された。


 少し待っていると、国王様が部屋に入って来た。


「くっきー様、サラ様。エルネスタ王国からも知らせが入りました。本当にありがとうございました」


「無事に治って良かったです」


『よかったくまね~』


「それで、今回の褒賞はお店の改装費用という事で良いか?」


「えぇぇ!?」


「国を救ってくれた聖女様に、何も出さない国王にしてくれるなよ?」


(わぁ……そんな言い方されたら困っちゃう)


「うぅ、とても申し訳ないのですが……あ、ありがとうございます」


『くふふ、良かったくまね』


「あっ、それと畑だが王城内に準備しているから、準備が出来たらジークに案内させるから少し待っていてくれるか」


「あっ、はい。ありがとうございます」


「それと、お店もとても楽しみにしている。何かあったらまた頼む事になるかもしれんが、よろしく頼む」


「はい!」


『任せるくまよ』


 その後も色々な話をして、なんとか国王様とのお話が終わったので、王城を出てお店に向かおう。

 まさかお店の改装資金を出して貰えるだなんて思わなかったと話していたら、国王様は最初からそのつもりだったとジークさんが教えてくれた。


 だから、内装にジークさんもレイナさんも色々と口を出していたんだそう。私だけだと必要最低限にするだろうってバレていたらしい。


 王城を出て、少し歩くとお店が見えてきた。


(えっ!? なんか外観が変わっている気がする?)


「なんか外側も変わってる!?」


『そうくまね』


「なんか可愛くなってるよ!?」


「ふふっ、そうなんですよ。サラ様に合わせて可愛いお店にして貰ったんですよ~」


「えぇぇ!?」


「ダメですか?」


 レイナさんに悲しそうに聞かれたので、ぶんぶんっ! と首を振って否定した。


「とっても可愛らしいお店で嬉しいです!」


「ふふっ、よかったです。中はまだ全部は出来ていないのですが、後5日ほどで内装が終わるみたいですよ」


「えぇぇー!? は、早すぎないですか!?」


『まだまだだった気がするくま?』


「そうだよね!?」


「なんか、聖女様の為にって職人達が張り切ったみたいですよ」


「聖女様って……いつのまに……」


「なんでも、ちょうど他の街から帰れなくなっていた職人が居たみたいですよ」


「なるほど……」


『そこで聖女様を見たくまね~。サラ、諦めるくま~』


「はうっ……諦めるしかないのか~」


 もうどうにも出来ないので、諦めるしかないみたい。ま、まぁ……悪い事ではないから良いかな。それで街の人達の役に立てるように頑張れば良いかな。


 お店の中に入ると、職人さん達が内装を変えてくれている。まだ出来ていないのだけど、とても可愛い素敵なお店になってきている。


「わぁ、可愛いしステキっ!!」


『くふふ、とっても素敵なのくま!』


「聖女様、もうすぐ完成しますから、もう少し待ってくださいね!」


「えっと、サラです。ありがとうございます、とっても楽しみです!」


 ふと見ると、作業をしてくれている人が1人足を引き摺っている感じに歩いている。よし、みんなにスープを作って来よう!

 私のお店を素敵にしてくれているんだから、少しでもお礼になれば良いな。


 くっきーにこそっとスープを作りたいと伝えると、2階の私の部屋に移動して作る事にする。ジークさんとレイナさんにも伝えて、少し2階に行ってくる事にした。


 2階の部屋に移動すると、くっきーにコンロとかの道具と材料を出して貰って、大き目のお鍋に薬草入りのスープを作る。みんなの身体が元気になって、怪我がなく働けますように。


 私のお店を作ってくれているのに怪我なんてさせられません!


『くふふ、また聖女様って呼ばれちゃうくまよ?』


「もう! でも、怪我してるの放っておけないもん、仕方ないよ」


『くふふ、優しいサラで嬉しいくま』


「ふふっ、くっきーに自慢して貰える私でずっといるんだ~!」


 くっきーと顔を見合わせて笑いあう。そうしているとスープが出来たので、くっきーにアイテムボックスに仕舞って貰って1階に下りる。


「サラ様、出来たのですか?」


 そうジークさんに聞かれたので、出来たからみんなに配りたいと言うとレイナさんと一緒に手伝ってくれた。


 職人さん達全員にスープを渡すと、飲んだ人の身体が光った。


(うん、ちゃんと効いたみたいだね。良かった~)


「な、なんだこれは!?」


「えぇっ!?」


 職人さん達は光った事に驚いたりしているけれど、少しすると身体がいつもと違う事に気が付いたみたい。


「えっ? なんか身体の痛みが……ない!?」


「足が治った!?」


「腰が痛かったのもないぞ!」


 そう言うと、凄い勢いで振り向いて聖女様! と言われた……やっぱり?


「ふふっ、元気になって良かったです。怪我しないように気を付けてくださいね」


「やっぱり聖女様だ!」


「聖女じゃないのですよー? あんまり言わないでいて貰えると嬉しいです。お仕事がなくなっちゃう方がいたら困りますしね」


「それは確かに……」


「それにこれからはただのお店の店主ですよ~」


「ははっ、さすがサラ様ですね。確かに神官達の仕事が減ってしまいそうですね」


「さすがにそれは困っちゃいそうですしね」


 ジークさんにもなんだか笑われたけれど、もう気にしない……多分。


「「「よし、サラ様の為に良いお店を作るぞ!!」」」


 なんだか、とっても気合が入ってしまったみたいですけど、本当に怪我しないように気を付けてくださいね?


 あんまりいると邪魔になるだろうから、そろそろお店を出ようかな。職人さん達にお願いをして私は市場にお買い物に行こうかな。


 ジークさんは王城でお仕事があるみたいなので、王城に帰って行った。レイナさんは私と一緒に市場に行ってくれるんだそう。


「そういえば、お店にはいつから住めるようになるんですか?」


「そうですね、内装が終わったら大丈夫みたいですよ」


「ふふっ、とっても楽しみです!」


『楽しみくまね~』


「そういえば、親方がサラ様のベッドと棚も作ってくれるって言ってましたよ」


「わわっ、そうなのですね。それは嬉しいです!」



 市場で食材を色々買ってから宿に帰ろう。ベッドも作ってくれるとは思わなかったけど、とっても助かるなぁ。

 


「ふふっ、今日のでさらにやる気が凄く上がってましたから、完成まで早まりそうですね~」


「えぇっ!? これ以上早いと身体壊しちゃいそうで心配ですよ」


「楽しんでいますから、大丈夫ですよ」


 これ以上早くなるだなんて……大丈夫なのかな? でも、楽しいなら大丈夫なのかなぁ。

 宿に着いたら、まずはお夕飯を食べよう。お夕飯を食べ終わったら部屋に戻ってのんびりしよう。


 部屋着に着替えたら、くっきーをむぎゅっと抱っこしてベッドの上でもふもふお話タイム~。


「お店凄くステキだったね~」


『そうくまね。出来上がりが待ち遠しいくまよ』


「うんっ! 明日からはどうしようか?」


『そうくまね~。薬草を採取したりお店の準備をするくま?』


「そうだね! 薬草も必要だもんね! お店の準備はまだ何が足りないかが分からないから、お店が出来てからかなぁ」


 明日からの予定を決めたら、くっきーをむぎゅむぎゅすりすりしておやすみなさ~い。

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