第二章 Besucher -訪問者-

会敵8 ミア騙される!

騙された!

騙された?


もう、騙された。で、いいよ。


今日の朝、レオが、


“ミア、天気いいから、ツーリングに行こうか?”


って言うから嬉しすぎて二つ返事でOKしたわよ。


それで、おきにのお洋服、ミニスカお出かけコーデよ!どう?可愛いでしょ?見て見て。に着替えたら、


“さすがにそれで単車は厳しくないか?”


ってレオに嫌な顔されたから、まあ、そうね。いろんなもの出ちゃうからねって諦めたの。そしたら、これが良いよってデジタル迷彩の森林パターンのカモフラTとショートパンツといつもと変わらん奴がいいって。え?そう?って私もバカだから言われるままに着替えたわ。


でも、次で気付くべきだった。


万が一の為に。って狙撃銃渡してきたの。


万が一で狙撃するか?

万が一で待ち伏せするか?

待ち伏せしてる時点でウチらが万が一じゃないじゃない。敵さんの万が一だよ。


それで、今。崖の上にいます。登りました。登れって言うから。25mくらいあったかな?小一時間で登ってやりましたとも。ロープと金具使って、“下でフォローするよ”だって。何言ってんのよ。一瞬、優しいって思っちゃったじゃない。そもそもおかしいわ!


それで、背面の遠くに人感センサ置いて来たところで、万が一とやらの為にスコープ覗いてますよ……


知ってるの……

レオのやり口だわ。


私、虫、大っ嫌いなの!あの、男の子に人気のある角のあるやつ。知ってる?あれ裏返したら直視できないわ。グキグキ動くのと、そいつにちっさい虫がついているの。虫on虫よ。虫ride on虫よ。あんな奴が私の身体にくっつくとか考えただけで苦しいです。だから、この崖の上の草っ原でうつ伏せになってる時点でもうテンション駄々下がりよ。例え可愛いキャラクターのシート敷いたとしても……敷いてるけど。1500mくらい離れた場所の廃村に仕掛けするから見ててだって、それで、今さっき無線で“行動拘束弾スタンどうした?”って。知らないよ!こっちは遊び気分だっての。ツナ缶持ってきたわ。しかもここに有るよ。


おまけにいつ帰るかわからんときたもんだ。ここで、この崖の上15m四方くらいの草っ原でキャンプかい。怖いよ。普通に怖いから。何出てくるかわからないようなところでソロキャンって。こんなか弱い乙女に。しかも、明かりつけちゃだめだし。こえ~。帰りたいよ……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る