第1章
第2話 Call of the president of the student council
活舌の悪い担任教師の注意事項も終わり、教科書や制服などの受け取りを済ませた。
本来なら、これで帰宅できるのだが、残念ながら未だ済ませなければならない用件がある。
それも、僕だけにだ。それと言うのも、ホームルームが終了し、全員帰ってよいとなった直後の事だった。こんな会話があった。
「多賀、来なふぁい。」
活舌の悪い担任に、呼び止められた。
「はい、先生。」
「お前、これからふぐに、ふぇい徒会長ひつに行きなふぁい。」
……「これからすぐに、生徒会長室に行け。」……そう、脳内変換した。
「その脳内変換が無いと、何言ってんだか、分からねぇだろぉっ!」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界にいない。
「いないんなら書くなよ!」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界にいない。
「先生、今日は都合が合わないので、後日にさせて下さい。」
「何だと? 多賀、いいか、これは、名誉な事だ。この様な、過分な計らい、滅多にないんだ。だから、お前は、今日行かなければならない。」
「おや、台詞に『さしすせそ』が、無いとまともに聞こえるな。」
等と言う無駄口を叩かない宗竜だった。
「ならば、内ふぃんひょには、『教ふぃ、ふぇい徒会に対ふる反抗的な態度が目立つ』ふぉう書かねば、なるまい。ふぇいふぇきも一考の余地ありだ。」
……「ならば、内申書には、『教師、生徒会に対する反抗的な態度が目立つ』そう書かねば、なるまい。成績も一考の余地ありだ。」……そう、脳内変換した。
「先生、それは、パワハラ、脅迫に該当します。それでも、続けますか。」
「多賀、いいか、緊急と言ったら、緊急なんだ。今から行くんだ。いいな。」
この高圧的な物言いには、苛立ちを通り越して、呆れさえ覚えた。
「ムカつく。」
という言葉は、嫌いだ。誰が使っても僕は、使わない。
しかし、この『Call of the president of the student council』(生徒会長の呼び声)には、大きな意味がある。
「先生、分かりました。行ってきます。」
「おお、行ってこい。多賀。」
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