第12章 3 焼き鳥屋の効果?
「ただいま・・・。」
鍵を開けてガチャリとドアを開けて玄関へ入ると壁のスイッチに手をやり、部屋の明かりをつけた。
「さっむ~い・・・。」
白い息を吐きながら部屋に上がり込むと、真っ先にリモコンに手を伸ばしヒーターを付けた。そして上着を脱いで廊下のフックに引っ掛けてあるハンガーにコートと、隣のフックにショルダーバックを掛けるとすぐに洗面台へ向かって手を洗って来た。
バックの中に手を入れてスマホを取り出した時、着信ランプが点灯している事に気付きスマホをタップした。
「あ・・唯ちゃんからだ。」
同窓会のお知らせかも知れないな。
すぐにスマホをタップしてメッセージを表示させるとやっぱり同窓会の詳しい日時と場所が記されていた。
「え~と・・日時は2月20日の土曜日、午前11時からで・・場所は新宿のイタリアンレストランか・・。」
メールに書かれた店名をネットで検索して場所を確認した。
「うん。ここか・・・。JRの駅から近いみたい。」
スマホをテーブルに戻すと、シャワーを浴びにバスルームへと向かった―。
「ふ~・・・気持ちよかった・・・。」
ニットの上下のパジャマに着替え、部屋干ししておいた洗濯物の様子を見てみた。
「うん、全部乾いているみたい。」
洗濯物を全て取り外し、テレビをつけて床に広げて畳んでいるとテーブルの上に乗せて置いたスマホが鳴りだした。
「唯ちゃんかな?」
スマホに手を伸ばして確認すると着信相手は亮平からだった。一体何の用だろう?
「もしもし?」
電話に出ると亮平の声が聞こえてきた。
『鈴音、同窓会の知らせのメール届いたか?』
「うん、届いたよ。」
『そうか。鈴音も行くんだろう?』
「勿論行くよ。」
『同窓会か~・・楽しみだな。皆変わっただろうな~。』
「うん、そうだね。」
その後、10分程亮平と電話で話した後、最後に亮平が言った。
『それじゃあ、20日の日に会おうぜ。』
「うん、そうだね。」
『あ・・・そうだ。明後日夜忍の所に面会に行って来るんだ。また忍の様子何か変化があったら連絡するよ。』
「ありがとう、じゃあね。」
『ああ、それじゃな。』
そして電話は切れた。
「ふう・・・本当に亮平はマメにお姉ちゃんのお見舞いに行ってるんだな・・・。」
その後、テレビを観ながら全ての洗濯物を畳み終えた頃には時間は23時を過ぎていた。
「あ・・もうこんな時間か・・・。」
まだあまり眠くは無かったけど、明日も早番だし今夜は早めに寝よう。そこでベッドに潜り込むと、手元のリモコンで部屋の明かりを消して、目を閉じた・・・。
その日は久しぶりに中学時代の夢を見た。両親もまだ健在でお姉ちゃんも優しくて、4人で仲良くテーブルを囲んで食事をしている・・・そんな幸せだった時の夢を見た―。
ピピピピピ・・・・。
何処かで目覚まし時計が鳴っている。
「う~ん・・。」
布団から手を伸ばして必死で目覚まし時計を探し当てると、カチリと止めてゆっくり目を開けた。
「フワ~・・。」
私はベッドから起き上がると欠伸と共に大きな伸びをすると、顔を洗いに洗面台へ向かい、鏡を見て驚いた。何だか肌がつるつるして綺麗になっている。
「え?何でかな・・?あ!ひょっとして・・。」
そう言えば昨夜は川口さんと入った焼き鳥屋さんで『焼き鳥コラーゲンセット』というメニューを興味半分で注文した事を思い出した。
「へ~・・やっぱりコラーゲンの力ってすごいな・・。」
ツルツルした自分の肌を触りながら思った。
「あの焼き鳥屋さんに連れてってくれた川口さんに感謝しなくちゃね・・。」
よし、今度会ったらお礼を言わなくちゃ。
そして私は朝の支度を始めた―。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます