第5話
「着いた…」
馬車に乗り何事もなく、次の街へと着いた。
俺的には、盗賊に襲われたり、やばそうなモンスターにあったりするかなって思ったんだけどな…まぁ何もない事はいいことなのなが…
「ともくん!あそこの牛串美味しそうちょっと買ってくるね!」
沙月も美味しそうな屋台が多くはしゃいでるようだ。
「ああ」と頷き、これからどうするのかを考える。
彼女の力を人助けに使うと言っても、具体的にどうするか…特に何かをすることがある訳じゃないが…魔王でも倒すか?
魔王自体どのぐらいの強いのかわからないが最終目標はそれでもいいかもしれない。
彼女から牛串を受け取り、一度街を散策することにした。
「お兄さん!こっちの料理も美味しいよ!」
「こっちもいい魚はいってるよ!どうだい!」
王国の城下町よりも、街自体が活気に溢れているように感じるな。
途中、宿により部屋を二つ借りる。
彼女は「同じ部屋がいい!」と言ったが、別々にしてもらった。
同じ部屋になったら何されるかわからないからな…寝てる時に抱きつかれでもしたら…
俺…多分、死ぬぞ?
そして俺たちは、彼女が見たがっていた。
服やアクセサリーなどをお店を見てまわった。
まぁ女子だしな…こういうのにも興味はあるよな。
「この服どう?かわいい?」白いワンピースのような服を見せながら彼女が俺に聞いてくる。
「うん、かわいいと思うよ…まぁなに着てもかわいいし似合うと思うけど」そう答えると、彼女も「ありがと…」と頬を赤く染め、照れる。
こうしていると、普通に可愛い子なんだけどな…
そうこうしている内にあたりも暗くなってくる。
俺たちは夜も賑やかな屋台で晩飯を済ませ宿へ帰ろうとした時ーー
「あの!」
背後から声をかけられる。
「ん?」足を止め、振り返るとそこには小学生ぐらいの背丈の女の子が立っていた。
「どうしたの?迷子?」
そう尋ねると、「違う!」女の子は横に首を振る。
「あのね…ママが悪い人たちに連れてかれちゃったの…だからね…た、助けてほしいの…うっ!」
服の裾をぎゅっと握りしめ泣き始める。
「わかったから!話しちゃんと聞かせて!」
俺も宥めなら、女の子の話を聞く。
話の内容は、こうだった。
女の子が小さい頃お父さんが病気で死んでしまい今はお母さんとの二人暮らし。
そして二人で小さなお花屋さんをやっていたそうだ。
そんなある日、女の子らの前に二人の男が現れ、お母さんはそいつらに無理矢理どこかへと連れて行かれたそんな感じだった。
「情報が少なすぎるな…」
女の子が言っていた、“二人の男“それがどんなやつなのかも、わからない…
俺たちもこの街に来たばかりであまりこの町のことは詳しくない。
そんなことを考えていると、近くで話を聞いていた男が声をかけてくる。
「多分、お嬢ちゃんの言ってた。二人の男ってのは、夜鬼(やき)ってギルドの奴らだと思うぜ」
「やき?」俺が聞き返すと、男は頷く。
「この街には、三つの冒険者ギルドがある。その中の一つそれが『夜鬼』だ」
話によるとそのギルドの冒険者たちは店などで、酔って勢いで暴れたり、街中で堂々と女を攫ったりと、その評判は悪いらしい…
そして他のギルドよりも、強くどのギルドも言い返すことができない…
「やりたい放題だな…」
「そういうことだから諦めな」男も言ってくる。
「いや、大丈夫だ…だからそのギルドの場所を教えてくれ」
これは、彼女の力を人助けに使うチャンスだ。
まぁこう、都合よく厄介ごとが舞い込んでくると怖くなるがな…
「話…聞いてたか?」と驚いていたが、
こっちには一人で王国の騎士を潰れせる力を持つ彼女がいる…そのギルドがどのぐらい強いか分からないが…
まぁ多分…大丈夫だろう…
「あのギルドをどうにかしてくれるんだったら」
ギルドまで案内してくれることになった。
女の子には、「家に帰って待ってて」と伝えた。
女の子を危ないところに連れていって守りなら戦うなんて事はできないだろうからな…
実際、この世界に来て初めての戦闘だ。
まぁモンスターじゃなくて人間なんだがな。
だが、俺自身にももしかしたら…すごい能力とかーー
「それはないか」
そんな能力があるなら、無能者とか言われなかったと思うし…
女の子も涙を拭いながら笑顔で「うん!」と頷いてくれた。
「よし!じゃあ行ってくるね」
俺たちはギルドへと向かうのだった。
えっ?彼女がどうやって納得したかって?
いやまぁ最初、面倒くさがっていたが…
「じゃあ、今日…一緒のベッドで寝ていいよ」だ言ったらと喜んで承諾してくれた。
俺…明日生きてるかな…
今からいく評判の悪く強いギルドよりも、明日俺が生きているか…俺はそっちを心配するのだった。
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