第4話 ワイバーン⁇

 草原に行くと大変な騒ぎになっていた。身体は赤くそしてデカかった。


「誰だよ!ワイバーンって言った奴!」

「これだけ人数いれば勝てるだろ?」

「勝てる訳ねーだろうが‼︎」


「当たりですね!」

「いや、勝て無いから」


 ミーナが期待の眼差しで見ている。レッドドラゴンか〜。ドラゴンは地上最強の生物だからやりようが……。


 冒険者や騎士、兵士が必死で戦っている。味方?が次々と倒れた。人数が減ると周りが焦り出した。雄叫びをあげながら突っ込んで行く者や逃げる者達は慌てて走り出す。邪魔者が居ない今なら、小麦粉が使える!


 必死に戦いましたが力が及びませんでしたって言う言い訳をする為には少しは挑まないといけない。


 黙ってドラゴンに近づいて小麦粉をブワ〜とぶっ掛けて、火打ち石で火を付けた!勇敢にタゲを取りに行った名前も分からない冒険者を巻き込んで爆発した。


『バチバチ!バーン‼︎』


 火が小麦粉に次々と燃え移る姿は美しかった。そして、一気に爆発する。顔面を狙ったから、冒険者はもう助からないだろう……。そっと手を合わせた。


「声を掛ければフレンドリーファイヤーにならなかったかも知れません。」


 あれ?行っけー!って言ってなかった?


「彼の死が無ければ成し得なかった。」

「早く止めを刺してください!」


 ドラゴンがゆっくりと首を持ち上げた。チャンス!


「よいっしょ!」

『グサッ!ゴキ!』


 応援に来たギルド職員達がドラゴンの死骸をギルドまで運んでくれた。解体をお願いして案内された会議室で待つ。


「洋服ボロボロですね。」


「少し巻き込まれたからな。」


 待ってると三人分の食事が運ばれて来る。


「昼ご飯代はギルドが持ちます!どうぞ食べてください!」


 ギルド登録初日なのに待遇が良い。雑談をしていると、素材の分量や買取の値段が書かれた紙を渡される。買取価格は金貨150枚だった。金貨一枚で一万マネー。日本円で一万円。買取価格、150万円。


「国に売ろかなぁ」


「金貨170枚で」


「キリ良く金貨200枚で売ろう!」


「買い取らせて頂きます!」


 命張って金貨200枚か。


「解体料は金貨20枚頂戴したいのですが……」


「命がけだったのに素材をたったの金貨200枚で売った訳ですが?」


「解体料は特別に免除します。」


「金貨150枚はギルドに預けて金貨50枚は現金でください。」


「かしこまりました!ギルドカードをお預かりします。」


 そう言って職員は部屋を退室した。二人はびっくりしてた。


「買取の値上げなんて滅多に出来ないですよ!流石です‼︎」


「相場が分かるのですか?」


「死ぬ可能性しか無かったのに金貨150枚はバカにし過ぎてる。」


 「「なるほど!」」

 

 二人ともハモってた。


「ギルドカードと金貨50枚です。城から使いの者が来ています。裏口で合流してください。」


「分かりました」


 「ミーナ行きましょう!」

「はい!」



 「陛下がお待ちです。どうぞ、お乗りください。」


 騎士が馬車の扉を開いた。


「城に向かう前に服屋さんへ向かってください。」


「すぐ連れて行きますぞ!」


「口調崩れるの早っ!」


「こういうのは慣れん。ワッハハハハ!」

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