清水の杜高校の異常事象
WTF
第一学期
第1話 終わりの始まり
春の心地よい風が頬を掠めた。
「これで全て終わりだよな、、、」
大勢の仲間を失った、大勢の仲間を救った。
「全て終わらせた、もう二度とこんなことは起こらない、そう願うだけ」
「がっくん、、、」
桜の花びらが吹雪く並木の下を亡くなった21人の遺影をそれぞれの親友が持ち8クラスが体育館に入場した。
「これより第56回卒業式を開始します」
先ず最初に21柱の遺影が壇上に並べられて黙祷が行わられた
「志し半ば、無念にも共に過ごした同級生が亡くなり、とても悲しみに溢れた年でありました、本日219名の残された皆様と共に亡くなられた同級生の皆様のご冥福をお祈りし黙祷を行います、黙祷」
目を閉じる者、泣き崩れる者、担任の女性教師は黙祷を呆然と眺めてから項垂れて涙を流した。
「杉岡先生?」
自責の念に駆られている担任たちに、理事長が徐に立ち上がった。
「あんなに笑顔で未来を夢見ていたあの子たちがあの日から、、、」
「本当にお疲れ様でございます、私たちにできることはありません、亡くなった生徒のご冥福をお祈りすることだけが唯一の弔いです」
口外することができない事象の中、高校最後の一年間の理不尽な学校生活が終わった。
事の始まりは新学期始まって3日目の放課後だった。
教室で一つの椅子にお互いに対面で座り、イチャつくカップル、ふと男子生徒が女子生徒の腰に手を廻すと、お互いに顔を近づけてキスをした、すると”それ”が始まった。
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