四月十四日(月)
今日は入学式があった。少し大きめの制服を着て、誇らしげに校門をくぐる姿は、なんだか僕にとっては遠い昔のように感じた。
うちの学校の入学式はとっても簡素なもので、校長先生の話と、名前を呼ぶくらいしかない。入学生を整列させたり、入場させるのも教員が担当することになっているから、生徒会の役割は何にもなかった。
うちの学校、もとい櫻山西高校は校則が緩いので、西高に入って一年も経てば、女子のスカートは初めの長さの三分の二、下手したら二分の一くらいの丈になっている。(校則が緩いのは進学校あるあるらしいけれど、みんなはどうなんだろう…)だから、きっちり丈の揃った新入生を見ると、僕もまだ高校 2年生だけど、すっごく初々しさを感じてしまう。
話が変わるんだけど、隣の席の関さん、今日僕に挨拶してくれた。
多分、「おはよう、如月くん」って。
僕はびっくりして、簡単にしか返すことができなかったけれど。
気が打ち解けてきたのかなぁ、そうだとしたら嬉しいなぁって個人的には思うんだけど、相変わらず小さな、今にも消え入りそうな声だから、打ち解けているのかよくわからない。僕って怖い顔してるのかなぁ、オタクな関さんの方が話しやすいなぁ、とも思う。
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