第72話 さこゼロさん作

そうしてボクは、この世に生を受けた。


購入してくれたご主人様は、なんでも二百年ほど昔の自分のご先祖さまを、シッカリと教育して欲しいと言う。


万能のネコ型ロボットであるボクにとっては朝飯前だ。


直ぐさまタイムマシンに飛び乗ると、ご主人様のご先祖さまと対面する。


黄色いTシャツを着た、眼鏡顔の頼りなさそうな少年だ。


これは、中々厄介な仕事のようだ。


しかし…


何ともやり甲斐のありそうな仕事だろうか。


恐竜時代や魔法の国、宇宙戦争など様々な未来が待っているに違いない。


きっと今まで生き抜いてきた、ボクの過酷な経験が発揮される事だろう。


さあ、そこで寝そべっている間抜け顔の少年に、初めましての挨拶をしようか!


ボクは柔和な笑顔を作ると、机の引き出しから勢いよく飛び出した。



〜完〜

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