霊能力者が戦った場合(ミステリーどこいった?) [ネタ編]

「バケモノ……。人間じゃないっすよ」





(ó﹏ò。)



 姉さんがさらわれてからもうすぐ6年が経つ。


 キーボードを叩く。


──殺しを頼みたい。


 あの日からずっと探してきた。


──ターゲットは五月雨さみだれはる、都内の奈落ならく中学の2年生で探偵だ。


 漸く手掛かりを見つけた。

 8年程前からダークウェブを通して殺人を請け負う組織が居る。

 探偵業で稼いだお金で集めた情報によると、彼らは都内を中心に同時期から発生している神隠し事件の犯人でもあるらしい。小中学生を主に拐っているようだ。当時、姉さんも中学生だった。条件は合致している。


 返信が来た。


──やり方は?


 この組織ではないかもしれないという不安はある。

 でも確信はできないまでも、一定の疑うべき要素はある。

 

 あの日、僕は犯人の車のナンバーを見ている。勿論、警察にはそれを伝えた。

 だけど、結局犯人どころか車が発見されることはなかった。偽装ナンバーだったのかもしれない。たまたま捜査が上手くいかなかったのかもしれない。その時はそう思った。思おうとしていた。

 でも探偵を始めて警察内部に知り合いが出来た。そしたら教えてくれた。姉さんの事件はそもそも捜査がされていなかったと……。

 どこかから圧力が掛かったと考えるのが自然だと思う。

 つまり一定規模の権力を持っている誘拐犯ということだ。そんな連中、現代日本では限られている。

 今、サイト内のチャットでやり取りしている組織は、数年に渡り殺人を実行しているにも関わらず、ニュースにもならず逮捕もされていない。怪しい。

 仄暗ほのぐらい人間の情動がうごめいている。僕にはそう思えてならない。

 

──こちらが探偵であるターゲットへ偽依頼を出し、5月10日の23時、奈落公園に1人で向かわせる。その時に殺してくれ。具体的な殺し方は任せるが、この時に殺せなかった場合は契約を解除する形にしたい。


 どう出るかな。パソコンの画面を見つめる。数分後に返信。


──5月3日深夜1時に、500万を煉獄れんごく橋の下にある箱に入れろ。ダイヤルは19459だ。


 釣れた!


 マウスを握る手に汗が滲む。焦っちゃ駄目だ。嘘がバレないようにしないと。

 キーボードへ指を踊らす。タイプミス。タッチタイピングをやめて、目視で確認しながら打つ。


──前金は250万だ。殺害を確認してから残り250万を払う。


──了解した。


──頼んだぞ。


 これで僕に対する殺人依頼は成立だ。あとは現場で身を隠し、彼らを確認する。可能な限り尾行もしたい。気配を消すのは得意だ。大丈夫。上手くやれる。


「姉さん……」


 姉さんが生きているかは分からない。でも誰かが動かないと闇の中に埋もれたまま。

 だから僕がやる。


 













 5月3日、煉獄橋。

 時計を見ると深夜12時47分を表示している。川から湿り気を含んだ風が流れてくる。少し寒い。

 懐中電灯を照らす。橋の下、橋脚きょうきゃくに添えられた黒い箱がある。


 あれかな。


 近付いて観察してみると、蓋にはダイヤルが付いている。19459にするとロックが解除された。

 蓋を開け、お金を入れようとした時、どこかから声が発せられた。


「動くな。お前に照準を合わせている」


 まさか! でもどうして?


 ジャリジャリと1人の足音が接近する。


「舐めた真似してくれたな」


 後頭部に硬い物が押し付けられる。


 バレていた? いつから?


「何か誤解してる……」


 強い衝撃。水気を含んだ地面に倒れてしまう。殴られたと少し遅れて理解する。痛い。


「お前が俺たちを調べていたことには気づいていた。チャットしている時には、すでにハッキング中だったんだよ」


 それで僕の偽依頼を読まれたのか……。


「来い」


 姉さんが見た景色を見ることになるのかな……。


 腕時計に目をやる。いつの間にか1時を回っていた。












٩( ᐛ )( ᐖ )۶



めいさん! 命さん!」


 なんだ? うるせぇな。


 ボロアパートのドアが叩かれる。朝9時。いつもなら到底起きる時間ではない。

 声の主は日雇いのバイトで知り合った拓実たくみだろう。焦りを含んだ声だ。


「ちっ」


 しかたねぇな。


 安いベッドに別れを告げ、玄関に向かう。ドアを開けると坊主頭が居た。


「うるせぇわ」


「命さん、大変です。隼人はやとが消えたんす!」


 消えた……?


 嫌な予感がしやがる。何かが起きているのか。話を聞く必要があんな。だりぃけどよ。


「……入れ」


 拓実が世界で一番売れているスニーカーを脱ぎ、部屋へ入る。

 互いにいつもの位置に座る。


「何があった?」


 そして拓実がやや早口で話し始める。


「昨日、隼人と遊びに行く予定だったんすけど、来なかったんす。RINEも未読のままで電話も繋がんない。隼人のアパートに行ったら、鍵が開けっ放しで誰も居なかったんす。そんで、1日待ってみたんすけど結局帰ってこなくて……」


 確かに妙ではあるな。


「……お前はどう考えてる?」


「はっきりとはわかんねぇっす……。けどなんかやベーことに巻き込まれたんじゃねぇかって思うんす」


 そうか。気が合うな。


 立ち上がる。クローゼットを開け、札を選ぶ。

 中に服は最小限しか収納されていない。札が詰め込まれた段ボール箱が積み上がり、狭いスペースを圧迫しているからだ。

 そこから易占えきせん用式神の札を引っ張り出す。


 占いは苦手なんだがな。なんか分かるかもしんねぇ。念のためだ。


「玄関からチラシ持ってきてくれ」


 拓実が慌てて取りに向かう。玄関にはチラシや光熱費の請求書が乱雑に積み重なっている。そろそろ部屋の掃除しねぇとな。


「裏に何も書いてないやつをくれ」


「どうぞ!」


 チラシをテーブルに置き、札へ霊力を込める。


 ポンッ。


 やけに軽妙な音と共にそいつが現れた。口とまぶたを縫い付けられた、筆を背負った人形サイズの女形おんながた式神しきがみ──トリアタマだ。


「う゛? う゛ーう゛ー!」


 相変わらず何を言ってるのか分からない。

 拓実が明るさを少し取り戻し、トリアタマに声を掛ける。


「トリアタマちゃん! 久しぶりっす」


 トリアタマが振り返る。目は見えなくても耳は聞こえるからな。

 拓実には一応霊感がある。大したことはできないが、式神とコミュニケーションを取るくらいはできる。


「う゛ぅ゛ー! ぅうう!」


 トリアタマが拓実へと駆け寄り、飛び込む。実に幸せそうに顔を擦り付けている。拓実も満更ではなさそうだ。


「……」


 あるじは俺なんだが、なぜが拓実に懐いてるんだよなぁ。

 別に構わねぇが、今はちぃと急ぎだ。


「トリアタマ、後にしろ。先に仕事だ」


 絶妙に不満そうな顔でこちらを見やがった。生意気な奴だ。


「お前も隼人は知ってるよな?」


「う゛……? ……! ぅ゛うぅ」


 ちょっと怪しいけど、かろうじて記憶にあるみてぇだな。

 

 大丈夫かよ? こいつ拓実以外は眼中にねぇんだよなぁ。しょーがねぇやつだ。


「何度も見てるだろ? ちゃんと思い出せ。そいつが消えた。だから隼人の居場所を占え」


「ぅ゛ぅ゛……」


 煮えきらねぇ態度だな。そんなに自信ねぇのか?

  

 だが、ここで拓実の援護が入る。


「お願いだよ、トリアタマちゃん! 頼れるのは君しかいないんだ。俺にできることはなんでもするから!」


「!? ぅ゛ー!」


「……」


 なぜ急にやる気を出して、キレのある霊気を筆にまとわせ出したのか。お前マジでなんなんだ。俺が生み出したんだぞ? 命令権は俺にあるって分かってんのか? あとで再教育だな。決定だ。徹底的にしめ上げてやる。


 トリアタマがさらさらと文字を書いていく。雰囲気ぶち壊しの丸文字だ。

 ゴリゴリのくずし字や達筆すぎて読みにくい字よりは助かるんだが、どうにも納得できねぇ。


「……ぅ゛ぅ゛ぅ゛う!」


 出来たようだ。トリアタマが勢いよく拓実へと顔を向ける。どや顔がうぜぇな。

 こちらには目もくれずに拓実へと駆け出す。


「……かい


「う゛!?」


 まるで親の仇でも見るような恨みがましい顔を俺に向けてから、ポンッという音と共にトリアタマが消える。残ったのは煙だけだ。

 親は俺だっつーのに変な奴だ。


「命さん……」

 

 拓実が形容し難い顔で呟く。だが無視して、さっさと本題に移る


「……占いが出たことは出たけどよ。お前これ意味分かるか?」


 チラシには「陽の差す暗闇が暗闇の差す陽になる場所♡」とある。

 まず言えるのはハートがいらねぇってことだな。つーか、俺にはそれしか分からねぇわ。


「……すんません。分かんねぇっす」


 始めから期待はしてねぇからそんな顔すんな。俺らみてぇな中卒には、頭使うことなんて無理だって分かりきってるからな。


「……分かった。あいつに頼んでみる」


「あいつってなんすか?」


「お前、昔、俺がなんて呼ばれてたか知ってるよな」


「……双頭の龍っすか? 昔ってか今も呼ばれてるっすよ。命さんとダチの2人だけで、都内の二大ヤクザを一晩で壊滅させたからそう呼ばれてんすよ……ね……あ、まさかそのダチっすか!」


 今も呼ばれてんのかよ。俺も今年で二十歳。はっきり言って恥ずかしいからやめてくんねぇかな。


「そうだ。あいつはさかしい奴だから、俺らよりはマシなことが言えんだろ。準備するからちょい待ってろ」


「え? え? まさか俺も行くんすか? その人、大丈夫なんすか? 目が合ったからってボコってきたりしません?」


 何言ってんだ? そんな馬鹿、今時なかなか居ねぇよ。

 大体あいつニートだしな。最近、探偵がどうとか言ってたけど、多分嘘だろ。真面目に働いてるとこなんて想像できねぇ。

 拓実がこの世の終わりみたいな顔してやがる。アホか。





 


 

 


 


٩(๑´3`๑)۶



 亮と大富豪で遊んでいたらスマホが光った。


──ぴろりんぴろりん。


 呼び出し音だ。


 スマホをタップし、通話を開始する。


「どうした?」


「頼みがある。今からお前ん家に行っていいか?」


 ほーん。なんじゃろ。


「話は聞くけど、今、事務所に居るからそっちに来てくれ」


 少し間が空く。


「は? お前、探偵事務所っつー話マジだったのかよ」


 失礼な奴だな。気持ちはすげぇ分かるけどな。俺が一番信じられないよ。


「マジだって。場所はユウキ探偵事務所で検索しろ」


「マジか。やべぇな。とりあえず行くわ」


 さてさて、なんの用かね。
















 脱色した金髪と舌ピアスが特徴のヤンキーがやって来た。


「命! いらっしゃい!」


 亮がヤンキー──命を出迎える。亮が生き霊の頃から普通に面識あるからな。


「おー亮じゃね……え? おい、幽日! いつの間に亮は復活したんだ? 普通に人間してんじゃねぇか」


 驚いてんな。亮のこと言ってなかったし、まぁそうなるよね。


「いろいろあった。以上」


 説明すんのめんどくさい。テヘ☆


「……いいけどよ」


 背の高い命の後ろに隠れていた坊主頭が、ひょっこりと顔を出す。


「命さん、この可愛い子が双頭の龍……」


 !?

 

 そ、その厨二ネーム、まだ言われてんのかよ!

 絶望した。黒歴史が長年、知らない人にバレバレになっているというホラー。もうやだ。


「ちげぇよ馬鹿。あっちのヤル気のねぇダルそうな奴がそれだ」


 やかましいわクソヤンキー。


「はぁ。話、聞くからこっちのソファに座れよ」


「飲み物、持ってくるね」


 亮が給湯きゅうとう室へと向かう。


 コーラはやめ……いや、命だしなんでもいいや。


 命と坊主頭がソファに座る。坊主頭がビクビクしてる。命に苛められてるんだな。やっぱりヤンキーってクソだわ。


「実はよ──」


 命がなんたらかんたらと説明してきた。隼人って奴が心配だと。で、占いしたけどよく分からんと。

 ほーん。

 説明中に亮が持ってきたお~い粗茶に口を付ける。


「お前、この占いの意味分かるか」


「多分、明暗めいあん市のことを指してんだろぉなぁってことしか分からん」


 命が片眉を上げる。


「……お前、それ俺らと同レベルだっつーの」


 あからさまに馬鹿にした顔をしやがる。

 だってしょーがないって。情報少なすぎなんだもん。


「はぁ、しゃーないな。札は持ってきたんだろ」


「一応な」


 よしよし。流石、準備がいいわ。

 

 立ち上がる。ソファの柔さが後ろ髪を引いてくる。もっとだらけていけよって言ってる。俺には分かる。

 でもいつも札をタダで貰ってるし、たまにはリターンをやらんとな。


「明暗駅に行くぞ」


 






 


 






 明暗市の中心部にある明暗駅に俺、命、拓実さんの3人で遊びに来ている。


「ウソだ……あり得ない……」


 呆然と呟く坊主頭──拓実さんの肩へ命がポンッと手を乗せる。

 

「気持ちは分かるがこれが幽日だ。諦めろ」


「バケモノ……。人間じゃないっすよ」


「しかもこれで霊気量は素なんだぜ? 凄いとか恐いを通り越してキモいよな」


 なんなん? お前らの為にやってんだけど? 酷くない?


 俺が何をしているかっていうと、命に貰った霊気制御補助用の札を使い、明暗市と近隣の市、町全てを覆う感知用ドームを霊気で作り、その中で感知できる霊気から行方不明者──隼人さんのものを探している。

 命は隼人さんの霊気が宿った物もちゃっかり持ってきていた。だからスムーズに進んだよ。

 なんだかんだとこうなるって予想してたんだろうね。ヤンキーのクセに気が利くというかなんというか。


 知った霊気を感知する。


「お?」


「見つけたか!?」


 命ががっつく。


「んー多分見つけた」


 ただちょっと気になることがある。


「どこだ?」


「明暗大学っぽい」


 なんでこんなとこで隼人さんと一緒に居るんだろ?


 俺がモヤモヤしているのを察した命が、疑問を投げ掛ける。


「どうした? なんかあんのか?」


「知り合いの美少年目美少女科の子もそこに居るんだよね。明暗大とは関係ない中学校の子なんだけど」


「……」


 ん? なぜ沈黙する?


「お前……もう二十歳はたちになるのに中学生に手を出したのか」


「おい」


 出してねぇよ。


 しかし拓実さんの目に軽蔑の色が浮かぶ。誤解である。


「ロリコンのバケモノ……略してロリモノっすね……」


「おい」


 その言い方だと尖ったエロ動画みたいじゃねぇか。弁解しなければ。

 そう思って口を開こうとした時、まさかの伏兵が現れる。


「ゆ、幽日君、偶然だな」


「……こんにちは」


 なんでこのタイミングで来るんすかねぇ。白峰さん?

 

 命と拓実さんがいつの間にか距離を取ってヒソヒソしてる。


 今日は休みなのか、白峰さんはスーツではなくカジュアルな格好だ。デニムに白ブラウスっていうラフな組み合わせに、淡いピンクのロングカーディガンを羽織はおっている。


「そんなに見つめてどうしたんだ……」


「服可愛いっすね」


「そ、そそうか? これちょっと子どもっぽくないか?」


 子どものクセに何を言ってるんだ? 


「そんなことないですよ。よく似合ってますよ」


 白峰さんがあわあわしてる。あなたたちの事務所ではあわあわするのが流行ってるんですかね。


「……ありがと」


 なんかウサギみたいだな。


「じゃあ俺は用事があるんでこれで」


「待て!」


 呼び止められた。なんだよ。地味に急いでるんだけど。


「な、何か忘れてないか。ほらあるだろ?」


 何も無い(確信)。


「何も忘れてないです」


「そうか……」


 しょんぼりしちゃったよ。

 可哀想だから例の“心の鎮痛用霊気”を魂のヒビに注入してやる。

 白峰さんの視線が不安定になる。なんか挙動不審だ。


 おかしいな。鎮痛効果が弱い?

 もうちょい入れるか。


 気合いを入れて念じた霊気で白峰さんの魂を丸ごと包み込む。

 これでいいだろ。つーか、時間もそんなに無いし、これ以上は無理。


 うつむいたまま固まってる白峰さんをポンポンしてから命たちの下へ行く。

 

 さてお仕事しないとな。なんだか嫌な予感がするし。

 命たちは案の定ゴミを見る目である。


「ヤバい奴だとは思ってがよぉ。流石に小学生は駄目だろ」


「ロリモノフリークっす」


 誤解である。


「合法ロリだぞ」


 珍獣を見たかのような顔をやめろ。


「分かった分かった。今度腕のいい弁護士を紹介してやる。だから警察に行こう。な?」


 な? じゃねぇよ。行かねぇよ。つーか弁護士への事案で弁護士を紹介させるってなんだそれ。


「俺は無実だ」


「分かった分かった」


 命が優しい声を出す。気持ち悪いな。ヤンキーだって自覚あるのか?


 ふいに命がシリアルな顔をする。


「……ところで具合・・はどうだったんだ? やっぱりキツいのか?」


 こいつ……!


「……キツい方なんじゃないか(境遇と性格的な意味で)」


「ほぅ」


「へぇ」


 駄目だ。こいつら。


 スマホの呼び出し音が鳴る。


 誰だ、こんな時に? え、警視総監? えぇ……。

 

 無視するわけにもいかないから普通に出る。


「……もしもし」


「やぁ。突然すまんな。実は頼みがあるんだ」


 うわぁ。絶対めんどくさいヤツだ。


「今忙しいんですよ。急ぎですか?」


「急ぎだね。都内で発生している神隠し事件についてだ」


 神隠し事件……か。隼人さんやはるさんの件と関係があるのかもしれない。


 命を見る。俺の不穏な空気を察して難しい顔をしている。


 明暗大学は命ひとりに任せてもいいか。よし。別行動といきますか!


「分かりました。警視庁に行けばいいですか?」


「いや外で会おう」


 キナ臭さがハンパじゃない。警察内部も安心はできないってことだろう。


「……了解です。今、明暗駅に居ます。どこで落ち合いますか?」


「明暗駅内のコッテリアで待っててくれ」


「げっ品バーガー食べながら待ってます」


「ああ。ではな」


 切れた。


「なんかあったのか?」


 命が言う。


 何かあったことは直感しているだろうに。


「俺は別方面からこの事件に当たることになるかも。とりあえず明暗大学はお前に任せるわ。1人でなんとかなるだろ」


「多分な」


「じゃあ俺は血~頭バーガー食いに行くわ。あ、捕まってる俺の知り合いの情報はRINEしとく」


 赤いババネロソースとピンクの謎クリームが旨いんだよな。


「はいよ。サンキューな」


「ロリモノさん、あざした」


 それやめろ。




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