第15話 文科系
晴南が麻衣子に言った。
「ちょっと麻衣子?遊んでばっかりって酷いわね。ちゃんと部活動してたでしょ?」
麻衣子が晴南に言った。
「部活動ねえ?」
すると麻衣子が晃太に尋ねた。
「ねえ、晃太君?直近の部活何をしたか覚えてる?」
晃太が思い出しながら麻衣子に言った。
「今週はテニス、テニス、テニス、瞑想だ。それで先週が剣道、卓球、バスケットボール、バトミントン、中距離マラソンだったな。」
晴南が麻衣子に言った。
「ほら麻衣子!ちゃんと部活動してるじゃない?」
麻衣子が晴南に言った。
「でもさ晴南?部活動の内容がすごく偏ってるでしょ?」
晴南が麻衣子に言った。
「そうかしら?色々と種目は変えてるつもりよ?今週はテニスが多かったけど?」
麻衣子が晴南に言った。
「うーん、そうじゃなくて。ほぼ毎日スポーツをしてるでしょって事?」
晴南が麻衣子に尋ねた。
「それが何?スポーツは立派な部活動でしょ?」
すると晃太が晴南に尋ねた。
「まあ確かにそうなんだが。晴南、俺が前にいた部活を覚えてるか?」
晴南が晃太に言った。
「自然科学部だったかしら?」
晃太が晴南に言った。
「ああそうだ。でもこの部活では一度も自然科学をやった事がないよな?」
晴南が晃太に言った。
「当たり前でしょう。なにが悲しくて放課後にまで理科の授業をしなきゃいけないのよ?」
すると麻衣子が晴南に言った。
「私はもともと茶道部だったでしょ?でも晴南?この部活で一度も茶道した事ないわよね?」
晴南が麻衣子に言った。
「当たり前でしょう。茶道なんて同じ所で座ってお茶飲むだけでしょ?そんなの退屈すぎるわ。」
麻衣子が晴南に言った。
「そうそこよそこ。そこがおかしいのよ。この部活はさ、幅広い部活動をするって趣旨で始めたんでしょ?なのに文科系の部活動を一切しないっておかしいじゃない?」
晴南が麻衣子に言った。
「文化系の部活動をするなんて嫌よ!つまらないだけじゃない。」
すると七緒が晴南に言った。
「ねえ晴南一つ提案があるんだけど?」
晴南が七緒に言った。
「ダメよ七緒。」
七緒が晴南に言った。
「まだ何も言ってないよ?」
晴南が七緒に言った。
「スポーツを止めて毎日寝てたいって言いたいんでしょ?」
七緒が晴南に言った。
「うん、その通り。」
晴南が七緒に言った。
「七緒!スポーツを止めるなんてあり得ないから。」
すると美咲が晴南に言った。
「ねえ晴南?私も一ついい?」
晴南が美咲に言った。
「大丈夫よ美咲!安心してちょうだい!」
美咲が晴南に言った。
「私もまだ何も言ってないんけど?」
晴南が美咲に言った。
「美咲は毎日スポーツがしたいって言いたいんでしょ?大丈夫よちゃん分かってるわ!」
すると美咲が強い口調で晴南に言った。
「違うわ晴南、その逆よ!」
晴南が美咲に尋ねた。
「えっ?逆?」
美咲が晴南に大きな声で言った。
「お願い晴南、この部活でスポーツはもう勘弁して!」
すると晴南が少し戸惑った様子で美咲に尋ねた。
「何よ美咲まで?」
美咲が晴南に言った。
「だって毎日毎日、スポーツばっかりもう嫌なんだもん。私、運動とか得意じゃないんだよ。」
すると麻衣子が美咲に言った。
「へえ美咲はスポーツするの嫌だったのね。」
美咲が麻衣子に尋ねた。
「えっ?麻衣子も嫌なんじゃないの?」
麻衣子が美咲に言った。
「うーん、私はみんなでワイワイするの嫌いじゃないし、この部活でスポーツやってて楽しかったからそこまでは嫌じゃないかな。」
美咲が麻衣子に尋ねた。
「じゃ何で反対してるの?」
麻衣子が美咲に言った。
「鳥岩先生に指摘されない為に文化系の活動もしたらって言ってるだけよ。」
すると晴南が美咲に大きな声で言った。
「美咲まで何言ってるの!絶対にダメよ!スポーツを止めるなんてあり得ないわ!!」
美咲も晴南に言った。
「お願いよ、晴南!」
晴南が美咲に言った。
「スポーツがなくなったら私干からびちゃうじゃない!部活動からスポーツをなくすなんて考えられないわ。」
美咲が晴南に言った。
「もうスポーツなんてやりたくないの。」
すると亜美が立ち上がって晴南と美咲に言った。
「晴南さん、美咲さん。喧嘩をするのはダメですよ。」
すると晴南が亜美に言った。
「大丈夫よ亜美。これは話し合いなの、悪の道に走ろうとしている美咲をちゃんと説得するからね!」
美咲が晴南に言った。
「ちょっと晴南?私はスポーツは嫌だって言ってるだけじゃない?」
亜美が懇願するように美咲に言った。
「美咲さん、お願いですから喧嘩だけは。」
すると美咲が亜美に謝った。
「亜美、ごめん。喧嘩がしたい訳じゃないの。」
すると晃太が美咲と晴南に言った。
「なあ美咲、晴南?部活動の内容ならみんなにも関わってくる事だ。みんなの意見も聞くべきじゃないか?」
晴南が晃太に言った。
「ええ、確かにそうね。」
美咲も晃太に言った。
「うん、そうだね。」
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