第8話 下校時間

リンゴーン、リンゴーン。


下校のチャイムが響いていた。


九木礼中学校の生徒達が、一緒に下校して行った。


晴南が両手を伸ばして言った。


「あー、やっと終わったわ!全く地獄の時間だったわ。」


すると優斗が晴南に言った。


「そう?僕は瞑想したおかげで結構リフレッシュできた感じがするよ。」


続けて拓也が晴南に言った。


「ああ、冷静に自分を見つめる機会にもなるし、定期的にやらないか?」


晴南が拓也に言った。


「冗談言わないで!そんな事になったら、私干からびちゃうわ!」


優斗が晴南に言った。


「それじゃ要検討って事で。」


晴南がみんなに言った。


「まあいいわ、気を取り直して!今日は放課後どこに行く?」


麻衣子がみんなに言った。


「うーん、それじゃあ、ぞうり庵に行かない?そろそろぜんざいも食べたくなってきたし、冬湖もあそこのぜんざい好きでしょ?」


冬湖が麻衣子に言った。


「はい、賛成です。麻衣子さん。私もぞうり庵のぜんざいは大好きですから。」


晴南が麻衣子に言った。


「ぞうり庵か、いいわねえ。私は抹茶あんみつ大好きなの。」


すると美咲が悲しそうに晴南に言った。


「ぞうり庵は先週で閉店しちゃったのよ!」


晴南が驚いて美咲に尋ねた。


「ええ、そうなの?」


美咲が悲しそうに答えた。


「そうなのよ!」


晴南が悔しそうに美咲に言った。


「しまったー!それなら最後に抹茶あんみつ食べに行っとけば良かったわ。」


すると麻衣子が美咲に尋ねた。


「あれ?でもこの前みんなでぞうり庵に行った時はそんな事言ってなかったよね?」


美咲が麻衣子に言った。


「なんか急に決まったぽいよ。私も先週末にたまたま行って驚いたもん。」


すると七緒が嬉しそうに晴南に言った。


「それじゃあ今日はここでお開きだね。」


すると麻衣子が晴南に言った。


「うーん、それじゃあ道の駅に行かない?」


晴南が麻衣子に言った。


「道の駅か。いいわね、そうしましょう!」


晴南がみんなに言った。


「それじゃあみんな家に帰ったらすぐに道の駅に集合ね!」


すると拓也と亜美が晴南に言った。


「晴南、悪いが俺たちは無理だ。」


「本当にすいません、晴南さん。」


更に慎吾と長孝が晴南に言った。


「晴南、おいも参加できん。」


「すまねえ、ハル姉。俺も無理だ。」


優斗が晴南に言った。


「まあ仕方ないよね、拓也達の家は町の西側にあるからね。」


七緒が晴南に言った。


「私も大事な用事あるから帰るね。」


すると麻衣子が七緒に尋ねた。


「ちょっと待って七緒?大事な用事って昼寝じゃないでしょうね?」


すると七緒が麻衣子に言った。


「もちろん昼寝に決まってるよ。」


晴南が七緒に言った。


「ねえ七緒?今日は一緒に来てくれない?七緒とも遊びたいの。」


麻衣子が七緒に言った。


「それに道の駅だったら、七緒の家の近くだし。すぐに来れるでしょ?」


七緒が麻衣子に言った。


「うーん??面倒くさいよー。」


麻衣子が七緒に言った。


「七緒、たまには付き合ってよ。同じクラスメートなんだし。」


七緒が麻衣子に言った。


「うー、麻衣子の意地悪!」


すると優斗が晴南に言った。


「それじゃあ晴南、僕達もここで失礼するよ。」


晴南が優斗に言った。


「ええ、帰ったらすぐに道の駅に来てね。」


優斗が晴南に言った。


「ごめん、僕も晃太も今日も図書館に行くつもりだから道の駅には行けないんだ。」


晃太が晴南に言った。


「悪いな、晴南。」


晴南が優斗と晃太に言った。


「ええっ?図書館なんか明日でいいじゃない?」


優斗が晴南に言った。


「いや読みたい本が山積みでさ。」


晃太が晴南に言った。


「図書館の中が一番集中して勉強ができるんだ。それに明日ももちろん行くつもりだ。」


晴南が晃太に言った。


「こんなにかわいい私達をほったらかして、図書館にいくつもりなの?」


晃太が少し困って晴南に言った。


「そう言われてもな。」


晴南が続けて二人に言った。


「二人とも図書館が大好きなのは知ってるわ。でもね、一回限りの人生を図書館で埋もれさすなんて、同じ学校の仲間として見過ごせないわ。優斗と晃太を図書館より救い出してみせるわ!」


すると晃太が晴南に言った。


「はあー、仕方ない、今日は道の駅に行こう。確かにここのところ図書館に通いづめだったからな。気分転換にもなるだろう。」


優斗が晴南に言った。


「仕方ないね、僕も道の駅に行くよ。」


晴南が晃太と優斗に言った。


「二人が正気に戻ってくれて良かったわ。」


優斗が晴南に言った。


「その言い方はおかしいよね!」

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