筆の再スタート
前に、小説がまったく書けなくなったと書いた。
毎日、
『書けない』
の連呼で、頭を悩ませていた。しかし、ある時、パッと必要な記憶が蘇ったのだ。
ちょっと前のドラマで、『書けないっ!』という、売れない脚本家が主役のドラマがあった。ストーリーはその人の元へ、連続ドラマの話が舞い込んで、頭を悩ますというものだ。
最初からやらかす。自己紹介の場面を何回も書いてしまうのだ。それでも、主人公は書く手を休めず、進めてゆく。
それを思い出して、思ったのだ。
いいじゃないか。
「おはよう」
「おはよう」
の会話文でも。気に入らなかったら、あとで書き直せばいい。最初から、完成された絵を描こうと自分はしていたのだなと、気づいたのだ。
それからは、猛スピードとまではいかないが、少しずつ小説が進み出した。
今書いているのは、焉貴を主役にした恋愛もので、脇役には光命を出している。焉貴の性格上、書くのは難しい。彼だったら、絶対これは言わないな、とか。先生を仕事にしている彼だったら、ここで褒めるだろうな、とか。彼は筋が通った人間なので、ある意味柔軟性がない。突然思いつくということも、するにはするのだが、普通のそれではない。一言で言えば、エキセントリックなのだ。
色々自問自答しながら書いている。ごくまれに、本人がそばへくるが、先生である彼は、ただただ見守っているだけだ。まあ、それがありがたいことなのだが。悩みは尽きないのである。
2021年6月10日、木曜日
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