第45話 悪役令嬢、ドレスアップ!
「あと少し、もう少し……!間に合ってぇッ……!」
悪代官スラッシャーモービルが背後にぐんぐんと迫る中、それに対抗しうる切り札、天ぷら宇宙船へ疾走するユミーコ一行。最も足の速いユミーコを先頭に、オニールとタカマーツが最早原型を留めていないマサムーシの身体を引きずっている。
しかし、その希望は無情にも粉砕された。
悪代官スラッシャーモービルの上蓋部分がぐわっと開き、中から巨大な大砲が現れた。その拍子に上に乗っかっていた沢山の越後屋たちが宿場町へとぼろぼろ落ちていく。悪代官スラッシャーモービルの最終兵器、悪代官キャノンだ。
大量の火薬を炸裂させ、巨大な鉄球を遠くまで飛ばすという、つまり普通の大砲の一撃は、折からの不況により予算を削減されて予定の半分にも満たない火薬量。弾道計算そのものは完璧であり、うまーくユミーコたちをぺっちゃんこにするはずだったが、随分と手前に落ちて、鉄球はごろごろと転がった。
「危なっ!!」
ユミーコたちは鉄球を辛うじて避けたが、鉄球は天ぷら宇宙船へ向かってとんでもない勢いで向かっていく。ただ、直撃コースでは無さそうだ。ほっと胸を撫でおろしたユミーコたちだったが。「ぬおおおお回れええ!」スラッシャーモービル内のスラッシャーコックピットで回転力を発揮した悪代官によって、プロボウラー顔負けのスピンが掛かった鉄球は、天ぷら宇宙船にストライク。
だが、奇跡も起こった。
弾け散った天ぷら宇宙船のパーツが辺りに降り注ぎ、泣き崩れるユミーコの涙に反応して、きらきらーって集まってきたかと思うと、短めのバンクシーンと共に身体の各部位へ次々と着装。
悪役令嬢パワードスーツとして産まれ変わったのである。
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