第13話 参上!怪盗・紋付き袴マスク

 ユミーコはあまりに危険すぎる。

 そう感じたダース・タカムーネはこの場でユミーコを始末せねばならないという使命感に駆られた。後頭部から突き出した使命感がタカムーネのお尻をビシバシと鞭で打ち、タカムーネはユミーコに向かって駆け出した。まさに駆られている状態だ。


「きゃー!何考えてるの!変態!ド変態!!性犯罪者!」

 使命感を丸出しにして迫ってくるタカムーネの姿に、ユミーコは両手と触覚で顔を覆う。まさか使命感を曝け出してくるなんて、信じらんない!使命感があることは流石のユミーコも知っているが、剥き出しになった使命感を実際に目の当たりにしたのは初めてだった。


 ユミーコ危うし。大きく振りかぶったタカムーネのレーザー薙刀がブオンブオン唸りながら迫ってくる――。


『はははは、ははは、そこまでだ!はははは……』


 突如として天守の間に高笑いが響いた。


「この声は!怪盗・紋付き袴マスク!」

 タカムーネが叫ぶや否や、天井をレーザー薙刀でメッタ刺しにし始めた。


「うわ危なっ!痛っ!痛った!!ちょっとストップ!ストップひばりくん!」


「ええいうるさい!毎度毎度同じ場所から忍び込みおって!そんでもって色々と盗み出して、農民どもに分け与えるという義賊っぽい事をして尊敬されるのも、今日これまで!あと急に思いついたからって適当に付け加えるんじゃない!!読んだことも無いのに」


 レーザー薙刀で焼き切られた天井から、どっさー、と怪盗・紋付き袴マスクが落ちて来た。


「ふふふ。危ない所だったねユミーコくん。宇宙忍者に襲われていた時よりも危なかったかも!おっと、今のは聞かなかった事にしてくれたまえ。ははは、あははは」


 ユミーコを守る為に現れたこいつの正体はあいつである。

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