第10話 突貫!寿司だけに。
悪役令嬢星人ユミーコは、宇宙武士マサムーネにだっこされながらスシファイターに乗り込んだ。お互いに気恥ずかしいけど中はシャリでぎゅうぎゅうなので仕方がない。「妙な気を起こすんじゃねぇぞ」副座に座る宇宙船わらしがにやりと笑う。ユミーコとマサムーネは一緒になって顔を真っ赤と真っ青に点滅させた。
そして彼等を乗せた『SF-KAN8』は地表近くまで降下した間寺タカムーネの居城ステーションに向けて発進する。
スシファイターの主な武装はシャリバルカンとワサビーム。
ワサビームはそのあまりに安直なネーミングをどうにかカバーする為に、普段より余計な設定がこれでもかとブチこまれてしまった兵器だ。この戦国異宇宙特有の元素、ワサビウムをすりおろして光学的な圧縮等の処理をすると、撃てたり撃てなかったりするというギャンブル性の高いプライマリウェポンであり、つんと来る刺激的な緑色のビームは癖になる威力である。そんで動きが止まった相手にふっくらとした粒の大きい30mmシャリ弾を叩き込むのが、マサムーネの空戦スタイルだった。
だが、所詮は多勢に無勢。間寺タカムーネ配下の宇宙艦隊との圧倒的な寿司量差は明白で。バレルロールだけではなくカルフォルニアロールという異国の空戦機動も駆使して抗うが、たった一騎での謀反はやはり無理ゲー。
あくまでも狙うは悪の武将、間寺タカムーネ。間寺宇宙ステーションの猛烈な対空砲火を掻い潜り、マサムーネはスシファイターを天守閣へと突貫させたのだ。
「へい……お待ち!!」
気合一閃。天守の間にほぐれたシャリが爆散した。
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