【オタク】キタ━(゚∀゚)━!【魔術師】
闇のドラゴンは北のほうにいるらしい
そこまで行ったけどめっちゃでかい光の壁があって先に進めない
この壁の向こうにドラゴンいるんだ
「この鍵で開けられるんでしょ」
「ああ。勇者、壁に鍵を当ててくれ」
「りょ」
鍵を結界に当てた
シーーーン
「何も起きない……」
ウェイスが言った
「もしかするとこの鍵、力を失ってるかもな。ドラゴンを封印して100年経つ。魔力が抜けてるかもしれない」
抜けるんだ魔力
炭酸みたい
「どうしよ。あたし魔力入れられる?」
「いや。これは特殊な製法で作られてる。この鍵を作った職人がアロホモラの村にいた。そこに行けば魔力を入れる魔術師がいるかもしれない」
「アロホモラ?どこにあるの」
「はるか東のほうにある、小さな町だ」
あたしたちはアロホモラにワープした
「魔術師ってどんな奴?」
「さあな。俺も噂しか聞いたことがない」
「アロホモラ……もしかして」
クマがつぶやいた
「知ってるの?」
「実は神様が間違えて異世界に連れてきちゃったのは君が初めてではないんだ」
「そうなの?」
「君の時代で言う2000年代初期ごろだったけれどね。その時もお詫びにステータスを最強にしたんだ。鍵職人の家に居候してたけどその人かな……」
ウェイスがひそかにショックを受けていた
「勇者みたいなやつがまだいたのか……」
村の人がいたからあたしは聞いた
「魔術師って知ってる?」
「あいつ?ああ、あの引きこもりな。村のはずれの家に住んでる。変わり者でなあ。鍵の作り方をオヤジさんから継承したはいいが、家からほとんど出たがらない」
村の人がウェイスを見て言った
「あ、行くならあんたはやめといたほうがいい」
「俺が?どうしてだ?」
「極度の男嫌いだから男は連れて行かないほうがいい。男が来ると物陰からおびえて出てこない」
「じゃあ俺はそいつの家の外で待機か……」
「いや、もっと離れていたほうがいい。嗅覚が鋭いんだ」
クマが言った
「人なんですかそいつ?」
ウェイスは村の入り口付近で待ってもらうことにした
「勇者、大丈夫か?」
心配するウェイスに言った
「まあなんとかなるっしょ」
家は普通の一軒家だった
ノックした
返事ない
「入るよー」
あたしは扉を開けた
「おおっ!?不法侵入でござるぞ!通報しますた!m9(`Д´)」
中に小太りのおっさんがいた
「え、誰」
「漏れは匿名の王!現実世界の隠者!新斗(ニイト)!」
意味わかんない・・・オタクだ・・・
「なんだこの女は?漏れの神聖なる領域に土足で入るとわヽ(`Д´)ノ」
語尾になんか見える・・・うざ・・・
「魔術師ってあんた?」
「魔術師…如何にも!」
「すっごい力秘めてるんでしょ、これ充電して」
あたしは鍵を出した
オタクは首を横に振った
「だが断るッ」
「え、なに」
そのノリも何??
「漏れにそのパワーが失われてしまった……萌えが足りないんだ」
「萌え?」
「断っておくが決してセクハラの口実じゃない。沸き起こる萌えのエネルギーこそが漏れの魔力になる。この世界に二次元が無いショックでエネルギーが出なくなった。゚(゚´Д`゚)゚。」
「よくわかんないけど萌えってかわいい子のことでしょ?あたしでいいじゃん」
クマが口をはさむ
「その自信どこから来るの?」
オタクが早口になった。
「拙者、属性違いなものでギャルにも興味ないし知能の低さにも言葉遣いにも萌えを感じないし、ありがちなギャル属性ならなんでもいいと世間一般は思い込みが過ぎるというものでこちらの美的感覚をそういった三次元と同じベクトルで考えてもらわないで欲しいもので真に遺憾」
「「うわ・・・」」
何言ってるかわかんないのにウザい・・・
「え、帰りたい」
クマが引き留めてあたしに言った。
「待って!ここで何とかしないと先へ進めないよ」
「あたしの魔力で壁ふっ飛ばせばいいでしょ」
「そんなことしたらあの地帯が破壊されちゃうよ!」
「じゃあ転送魔法で萌える女の子連れてきたらいいじゃん」
「残念ながらそれは無理だ」
「え、なんで」
「オタクに優しくないギャルが来てみろ……漏れのハートは砕け散るッ……!」
「いーじゃん、当たって砕けよ」
あたしが手に力をこめるとワープ魔法で床が光った
「えーと、美女ギャルこっちに・・・」
オタクがスライディングしてそれを遮った
「やめろおぉぉぉぉッ!萎えたら二度と魔力を失うぞ!二度と立ち上がらんぞ!いいのか!」
「もー、めんど・・・」
どうしよ・・・
ピーン
そのときあたしはひらめいた
「ねえ、魔法って美女になれたりする?」
「え、そうだね。変化魔法は上級魔法だけど君なら余裕だよ」
「魔法使ってオタク好みの美女にしたら楽勝じゃん」
「君にしてはいい考えだね」
あたし天才だな東大入れる
「よっしゃ、白ギャルになーれ」
ボワーン
キラキラキラ
そこにはクマ耳の金髪ヘーゼルアイの美少女がいた
「えっ?」
クマが驚いて自分の身体を見下ろした
「いい感じぢゃん」
「うわー!なにこれ!」
クマが叫んだ
「何でこっちに魔法をかけるの!?」
「え、だって興奮されるのいやだし」
目の前のオタクが愕然とした
「けッ……獣耳のおんにゃのこ……ッ!∑(´д`*)」
「こっちを見るなー!」
「TSなんてッ……!ぐうッ……業が深いッ……!興奮してなるものか!」
なんか葛藤してる
こわ
「僕だって興奮されるの嫌だよ!」
「僕ッ子!」
パアアアア
「うわ!なんか輝きだした!」
「まっ…魔力が出来てしまうッ……!」
「もう一息じゃん、頑張って」
「何頑張ればいいんだよ!こんな女の子にされて…うう……ッ!」
「は、恥じらいッ……良いッ!悔しい、こんなのでッ……!( ;´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ」
オタクテンション爆上がり
あたし何見せられてるんだろ、つら
パアァアアアアアア
オタクの姿が見えなくなるほど光が強くなった
まぶし、電球みたい
ぶわっと風が起こり始めた
台風が部屋の中に来たみたいになった
「うわー!すごい風!怖い怖い怖い!」
クマがおびえてる
ぴかっと強く光って徐々に静かになっていった
光が弱くなっていくと台風の中心になっていたオタクがハアハア言いながら姿を現した
「ふう……補填完了した(汗)」
すっきりした顔してる
やば
「なんか……僕まで疲れた……」
クマが脱力した
「充電これでいいの?」
「いや、先代と違って漏れが直接行かないと上手く解除できない可能性がある」
「それじゃ、封印解いてくれる?」
「しかし漏れは自宅を警備する務めがあるッ」
「クマ、言ってよ」
「オネガイシマス」
「仕方ない……クマたんのために行こう(*´д`*)ハァハァ」
「ふ……不快だ……」
鍵をオタクに渡した
転送魔法で壁のある場所に行った
「久しぶりだから緊張する……クマたん……応援|´・ω・`)ホスィ…」
死んだ目をしてるクマが言った
「ガンバッテ」
「うぉおおおおおおお!!」
オタクが光り始めた
スイッチ入るの早
全身に光の呪文が浮き上がった
身体から文字が流れて大地にするするとヘビみたいに伝ってく
文字の一つ一つが生き物みたいに動いてる
文字が集まって重なりあって複雑な模様になった
辺り一面が模様で光ってる
プロジェクションマッピングみたい
やば
オタクが腕を掲げると結界へ向かって模様が這いあがってゆく
地響きがし始めた
オタクが呪文を唱え始めた
「ルイズ!ルイズ!ルイズ!ルイズぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!」
模様はやがて結界を覆いつくした
光はますます強くなる
「ううっうぅうう!!俺の想いよルイズへ届け!!ハルゲニアのルイズへ届け!」
オタクが叫んだ瞬間、
バァアアアン
結界が粉々に砕けた
太陽の光でキラキラしてる
ガラスの雨みたい
地面に落ちる前に空に溶けてく
今のインスタ映えしそう
絶対いいねいっぱいもらえる
「オタクすご」
その隣でクマが呟いた
「すごい魔力だけど……興奮した分だと思うと……複雑……」
「クマたん、また君に合いに来て欲しい」
「りょ、また連れてくるわ」
「えっっ」
クマが固まった
「神!ワァ───ヽ(*゚∀゚*)ノ───イ次はメイド服キボンヌ!」
「嫌だよ!」
あたしたちはオタクと別れてウェイスを迎えに行った
「勇者、無事だったか」
「うん、らくしょー」
「勇者、クマがすごくやつれてるが何があったんだ?」
クマが元気なく言った
「うん……僕のことは……しばらくそっとしておいてほしいな……」
「そ……そうか……」
「じゃ、ドラゴン倒しに行こ」
あたしたちは先に進むことにした
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