4.七曜の調整者(二人目)

「おはよう。今日は木曜日だね」


木曜日は水曜日の兄弟みたいなものだ。

エンジンがかかりきり、快適に疾走。


やる気も満ちて、会議などもセッティングされやすい曜日(これ本当)。


「今週やることは進んだかい? まだ? ……日はまだあるから大丈夫」


しかし、水曜ほどモチベフル活用日ではないので、更に毒にも薬にもならないような人畜無害な曜日でもある。


大体の人がまったりした気分になってくるが、水曜に頑張りすぎると、この辺りで山を越えて下り坂に入ってきたりする。


「今日は何もない日だねぇ」


本当に、特筆すべき特徴ががなくて、困る。


「知ってるかい? 火曜から土曜日の英名は北欧神話が元なんだよ」


なんとなく、手持無沙汰になってくると雑談が始まったりもする。


「木曜日はThursday(サーズデイ)。僕は雷神トールの日。[Thor・トール]に「の」を意味する[es・ズ]が付いたものなんだ」


学生の場合だと、平日大体火曜から木曜までは同列な感じなので、これは社会人特有の空気感なのか。


仕事ひと段落ついた人、もういいや状態になって来た人が、そんなどーでもいい話に花を咲かせがちな、おっとりさんの木曜日。


仕事、学業ともにまだ十分なモチベで、おっとりしながらこなします。


「昨日の水曜日、Wednesday(ウエンズデイ)はオーディンの名前がそんなふうに変わってできたもの。……オーディンて主神だよね。魔王が月曜なら水曜はやる気の神様って感じになるのかな」


時間がありすぎると本当にどーでもいいことに、話が散らかっていく。



気を引き締めていこう。

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