春先の淡い恋

マッシー

告白

 ずっと、好きな人がいるんです。

 ここでは名前は伏せておきますね。一応、“彼”と呼びます。


 片想いだと思っていたんです。

 でも、手紙を貰って。

『今日空いてますか?予定がなかったら屋上に来て下さい』

 そう、書かれていたんです。

 普通の生徒は屋上なんて行けないですよ。でも彼だけは屋上に行けたんです。

 彼は天文学部の部長で、天体観測が出来るかの確認と顧問に言えば、鍵を貰えたそうなんです。


 放課後、屋上に行きました。

 彼に呼ばたこと。

 好きな人と二人きりであること。

 初めての屋上。

 高所恐怖症。

 その全てが作用して、私は屋上へ上がる階段を上っている時から胸がドキドキして止まらなかったんです。

 そこで、彼は紅く染まる空を背に「好きです」と一言。

 私はというと嬉しくて嬉しくて……。

 泣きそうになるのをなんとか堪えて、はい。と答えました。

 作り話みたいですよね。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る