第7話

荒らした部屋を片付けようと、棚を動かすと奥に見覚えのない小さめの紙袋がある。あの人がきっと隠していたのだろう。大事なものなのだろうか?迷っていたが、開けてみることにした。


怒られたらその時だな…。


紙袋の中には箱と封筒。箱を開ければ2つ並んだ指輪。


「なにこれ…」


慌てて封筒を開けると、結婚指輪の証明書が出てきた。


「う、そ…」


血の気が引くのがわかった。立っていられずその場にへたりこむ。


あの人が私との結婚を考えていた…?


いつからかあの人は仕事一筋になってしまって…。それはこういう未来のためだったの?




帰らない貴方を待ち続けるのももう疲れてしまって。

そんなに私の望みは難しいの?ただ愛してほしかっただけなのに。






1年前のあの日からずっと


貴方は目を覚ましてくれません。


どうかどうかもう1度会いたいから


「そうだわ、私から会いに行けばいいのよね」


幕引きは泣き笑いで。



end.

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