四季は夏しかなくなった

 四季は夏しかなくなった、塩素の匂いが立ち込める教室、カーテン越しに見える空はうざったいほど青かった。無機質に泳ぐ生ぬるい風が、君の髪を靡かせた、その隙間に青春の儚さを知る。夏、終わらないんなら、この青まで閉じ込めてしまえよ。何処にも行かせないで、熟れることのないこの感情も全て。

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