マッサージチェア哀話

わたしの行きつけの美容室の美容師さんは、

170センチ近い背丈があります。

わたしと彼女は、なにかの拍子に、

電器店で、むかし、マッサージチェアの

店頭マッサージをしたことがある、という話になりました。


店先に並べられたマッサージチェア。

仕事上、肩こりのひどくなっていた彼女は、

喜んでそこに座り込みます。


背中をもたげて、ぐりぐり上下に動く電動もみ手を感じる。

これでからだが楽になる……はずでした。

ところが、背中が妙な具合に、痛み出した。


電動もみ手が、もんで欲しいところには行かずに

背中の中心をやたらともみ続ける。

そりゃ痛いのなんのって。


「マッサージチェアが、からだに合わない~~~!!!」

マッサージチェアは、平均160センチ程度の人を対象にしています。

ちょうど微妙に、ズレたところにあるんですね。

美容師さんは、体をそらしたり、さがったりしましたが

ムダでした。


「背が高いのって、ぜったい不利」

と、彼女は言います。

 そのときに、わたしは、

 マッサージチェアを購入した夫のことを

 思い出したわけです。


 夫も190センチ近く身長がありまして、

 マッサージチェアを購入するときは、

 自分ではなく、義母のために

 買ってあげました。


20年前、マッサージチェアが欲しい、と義母が言い出し、

夫が購入したのです。


 どうせ自分は使えないけど

 にゃんちゃんも使っていいよ。

 ということで、わたしも使ってみたんですが


 150センチに満たないわたしの身長では、

 電動もみ手は背中のコリにはぜんぜん足りません。

 義母は義母で、

 「マッサージチェアって、気持ちいいのかと思ったら

 かなり、痛いのね」

 と不服がお。


 しょうがないので、一週間後に廃棄処分となりました。

 けっこうな値段がしたのに、

 ムダだったけど

 こうして日記のネタにはなりました。


 いろんな経験って、だいじ。




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