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  • 第11話 莫たる未来(終)への応援コメント

    阿月礼さん、このたびは自主企画に参加してくださって、ありがとう。『妙子の青春‐大東亜戦争戦勝国・日本』、全11話を読ませてもらったで。

    戦勝国の女学生という設定から、毎日の食卓や友達との会話へ入っていくにつれて、妙子にとっての「平和」がどれほど心細いものなんか、じわじわ伝わってきたんよ。学校から帰ったら安心、家族になら何でも話せる――そんな当たり前も、この暮らしでは簡単には手に入らへんのやね。

    ほな今回は「硝子戸の内」の温度で、口にした言葉と胸にしまった思いの隔たりを、夏目先生にじっくり読み解いてもらうな。

    ■ 夏目先生より

    阿月礼さん、拝読いたしました。わたくしが本作で強く感じたのは、国家の勝利よりも、ひとりの少女が安心して不満を口にすることの難しさでした。妙子たちにとって、食べ物が足りないと言うことは、単に空腹を訴えることでは済まない。その言葉が誰に聞かれ、どのように解釈されるかを考えなければならない。社会の圧力が、会話の途中に置かれる沈黙として現れているところに、この物語の切実さがあります。

    とりわけ、妙子と富子が互いの発言を制する関係が印象に残りました。学校では妙子が富子の疑問を止め、その後には富子が妙子の言葉を危ぶむ。二人は意見の違う者同士というより、似た疑問を抱えながら、交代で相手を黙らせているのです。そこには友人を守ろうとする気持ちも、自分まで危険に巻き込まれたくないという恐れも読み取れます。親切と自己防衛が分かち難い。この重なりを描いたことで、抑圧が権力者からの一方通行ではなく、親しい者同士の間にも入り込む様子が伝わってきます。

    妙子自身も、常に正しい場所に立っているわけではありません。弟が共有の新聞を自室へ持ち込んだことをとがめながら、後には自分も同じことをする。小さな食い違いですが、わたくしはここを好ましく読みました。弟には秩序を求める姉も、自分には一人で考える場所が欲しい。自分の事情だけは、どうしても少し特別に見えるものです。このささやかな身勝手さが、妙子を社会問題の説明役ではなく、家庭の中で生きる少女にしています。

    母・静江との距離には、さらに苦いものがあります。妙子は母の強い態度に反発し、涙を見ても、直ちに優しい娘へ戻るわけではない。それでも母がなぜ泣くのかを考え始める。相手の苦しみを理解することと、その相手に腹を立てなくなることは、別の出来事なのですね。本作はそこを容易に和解させず、同じ家で暮らしながら互いの過去へは入りきれない母娘を描いています。

    静江についても、戦勝を肯定する言葉だけを取り出して、体制を信じ切った人物と見ることはできません。子供の食事を案じ、夫の仏壇に向かい、大切な和服を前にして立ち止まる。その行動には、世間へ示す態度とは別の重さがあります。夫の死に意味があったと思いたいことと、いまの暮らしが苦しいことは、本人の中でも簡単には折り合わないのでしょう。和服をめぐる場面では、社会への疑問が、誰かの思い出を手放す痛みとして伝わってきました。

    芳江を見送る妙子にも、興味深い揺れがあります。事情を知りたいという好奇心から同行しながら、聞き進めれば相手の辛い記憶に触れるのではないかとためらう。人を理解したいという願いには、ときに秘密を知りたい欲望が混じります。芳江の短い返答の前で足が止まるところに、妙子が他人の人生を自分の疑問の答えとして扱いきれなくなる瞬間を感じました。

    一方、こうした人物の動きがよく見えるだけに、地の文がその意味を繰り返し説明する箇所は惜しく思いました。友人同士が口をつぐんだあとに、密告や制裁の恐ろしさを改めて詳しく述べる場面などでは、既に届いた緊張が説明の間に緩むことがあります。初めて示す制度の説明は必要ですが、二度目以降は、言いかけた言葉や周囲をうかがう動作だけで伝わる部分もあるでしょう。

    また、妙子が他人の表情から推し量ったことと、実際に確かめられたこととの境目を、もう少し残しておくとよいと思います。山村の妻の複雑な表情を見て、その家庭事情を推測する場面などがそれに当たります。妙子なりの推測としては自然でも、それだけで相手を理解したことにはならない。その隔たりが残れば、読者は妙子に寄り添いながら、彼女にもまだ見えていない人生を感じられます。

    本作には、歴史の大きな言葉を食卓まで引き寄せる力があります。戦勝の意味を問う声の傍らで、今日の食事を用意しなければならない人がいる。その人々を、正しさだけでは整理できない存在として描いたところを、大切にしていただきたい。人物の仕草や沈黙は、既に多くを語っています。そこへ少し信頼を置くことで、妙子の青春は、いっそう読者の近くに届くはずです。

    ■ ユキナより

    夏目先生のお話を聞いて、ウチは妙子が自転車で帰るとき、顔に当たる風を心地よく感じてた場面を思い出したんよ。学校も家も窮屈な日々やからこそ、あの短い道のりで少し息ができる感じが胸に残ったんやね。

    大きな出来事の中にも、少女が今日一日をどうにか過ごす時間がある。その手触りを大事にして、阿月礼さんならではの物語をこれからも届けてな。読ませてもらって、ありがとう。

    ユキナと夏目先生(硝子戸の内 ver.)
    ※ユキナおよび夏目先生は、GPT-6 Astraによる仮想キャラクターです。

    作者からの返信

    毎回、拙い拙作に、論評をいただいていることに深謝いたします。「(私)阿月礼ならではの物語をこれからも届け」させて頂きたく思います。読者諸氏、そして、ユキナさんやつよ虫さんからはいかに評価されるかは分かりませんが、今後とも宜しくお願いいたします。

  • 第11話 莫たる未来(終)への応援コメント

    たいへん興味深い歴史のIFでした。
    企画にご参加いただきありがとうございました。

    作者からの返信

    お読みいただきありがとうございました。今後とも宜しくお願いします。


  • 編集済

    第11話 莫たる未来(終)への応援コメント

    コメント失礼いたします。

    企画から来て拝読いたしました。

    読み進めていく内に戦争を知らない世代の私にとって、とても重要なテーマを扱っていると感じました。2026年でも戦争は無くなりませんね…読み進めていくうちに、戦争を知らない、経験したことの無い世代の私にとっては、それだけで幸せ者なんだなと思いました。

    企画にご参加いただきありがとうございましたm(__)m

    作者からの返信

    コメントをいただき、有難うございました。確かに、「戦争を知らない、経験したことの無い・・・・・だけで幸せ」かもしれません。私も戦後生まれで、祖父母の話や書物等でしか戦争を知らない世代です。しかし、戦場にいないだけでも幸せなのかもしれません。但し、日本でも色々、矛盾があり、辛いこともすくなくありませんね。私も色々、辛いことも少なくありません。そうした小説も執筆していますので、今後とも宜しくお願いいたします。


  • 編集済

    第1話 帝国海軍大勝への応援コメント

    辛口長文アドバイス企画から来ました!夏神ジンです!
    文章力がバッチリ!だけどそれを活かしきれていない!作品だと思います!

    昭和17年6月でちゃんといつの時代かわかるのがいい!ただ「日本海軍はミッドウエー海戦にて~」から「集会は明るい雰囲気となった」の間がちょっと説明的だと思います。どうしても背景を説明しなきゃいけないので、必要なのはわかります!ですが、始まってすぐのこのシーン、読者としては「今、私は誰目線でストーリーは進んでる?」となりやすい気もします!特に「帝国海軍~」と「東京空襲へ~」は新聞の見出しなら『』などで書いた方が、読者としては「セリフ?あ違う、新聞の見出し!」みたいなちょっとした(ほんとにちょっとなんですが)落差ができます!

    また途中でようやく「静江」という登場人物が、「最初からいましたが」みたいな感じで流れに沿って現れる、というのがシーンが飛びすぎて、読者は一瞬止まっちゃうかもという風に思いました!説明の部分から、はっきりと、「静江にスポットを当てます!」という意思表示を入れたほうがいいのかなという気がします!(説明があって、その先に静江の話があって、これも説明パートなのかなと思ってしまうのでは、という意味です!)


    やっぱり説明的な文章が多いです!
    「海軍に召集されていた夫・峯雄が、空母・飛龍の乗組員だった~報じていた」のあたりをキャラクターのセリフにしてしまったほうが、キャラクターたちのイメージを膨らませやすいと思います!例えばですが、この後のシーンで子供たちが「お父さん、いつになったら帰ってくるの?」に対し静江が「お父さんはお国を守るために海の上で戦っているんだよ。もうすぐきっと帰ってくるから……」みたいなことを言いつつ、その裏で大破させられていた、四面楚歌である……(最後のはちょっと思いつかずに書きましたごめんなさい!)などです!

    全てを細かく鮮明に書き出す必要はないんです!穴ぼこにして、読者に予想させる隙を作ったほうが、小説は面白くなります!

    飛龍乗組員たる夫・峯雄の戦死通告であった。これだけで語るのは、もったいない!あなたの作品は正直ではっきりと書いていますが、時には抒情的に語る部分も作ったほうが、静江の悲しみをより強く感じられると思います!


    例えばこれが映画やアニメーションだったら、この流れでずっと見ていられるんですが、小説を読むことは誰にとってもちょっと根気がいると思います。だからこそ、謎を入れ込み、進んでいくごとに種明かし、そして謎をまた入れ込む、そういったイメージで書いていくと、説明的な文章が少なくなるような気がします!
    (重たいテーマで史実ですし、詳細に正しく書いていく必要はあると思いますが)


    またキャラクターが薄いと思います!静江はどんな女性なのか(シゴデキ、真面目、曲がったことが大嫌い、誰にでも優しく怒ったことがない、それとも夫がいなくても強く生きてまいります!みたいな強気な女性、お姉さんとは昔は喧嘩ばかりしていたが、今は一番仲がいい!)など、尖った何かが欲しいです! こういったキャラクター性を文章の中に入れるとこれまた説明的な文章が少なくなるかと!


    これを伝えたい!届けたい!というあなたの熱意はとても感じます!
    あとはそれをどんなふうに、読者に届けていくかだと思います!小説は迷路みたいなものなので、キャラクターたちを迷い込ませてどんな行動に出るかを、観察してみてくださいね!!



    以上、夏神ジンでした!

    作者からの返信

    有益な御助言、有難うございました。ご指摘の通り、登場人物の動きを重視し、説明的な文章は減らしたほうが良かったかもしれません。他の方々からも指摘されていることなので、今後の執筆に生かさせていただきたく思います。今後とも宜しくお願いいたします。

  • 第11話 莫たる未来(終)への応援コメント

    すごい。全部繋がった。読む順番は逆になってしまいましたが、むしろそれでも良いんだと思える構成になってて引き込まれました。橋田なんて特に、こいつだったか! と。これは面白いです

    作者からの返信

    お読みいただいたことに感謝いたします。お読みいただいた拙作の3作以降もシリーズは続いていますので、宜しければ、お読みいただけると幸いです。宜しくお願いいたします。

  • イラストが完成しました。 第16弾です

  • 第11話 莫たる未来(終)への応援コメント

    企画から来ました。

    フィリップ・K・ディックの『高い城の男』も枢軸側が勝利した世界線の小説ですけど、それとは全く異なるIFの世界が描写されていて、成る程と納得させられる部分が多々あり、感銘を受けました。
    IFを書く作品は読んでいて楽しくもあり、考えさせられもします。

    応援しております。

    作者からの返信

    ご声援、ありがとうございます。これからも宜しくお願いします

  • 第11話 莫たる未来(終)への応援コメント

    雑誌で掲載されると良いですね。購入したいので出版化されるのを楽しみにしています。

  • 第9話 生活の旅への応援コメント

    続きが読みたいです。

  • 第8話 空白への応援コメント

    販売されたら、購入します。ハードカバーや、文庫本どちらも購入します。

  • 第11話 莫たる未来(終)への応援コメント

    女学生の妙子が社会不安を感じつつこの先どうなって行くのか、続きを期待してます。

  • 第11話 莫たる未来(終)への応援コメント

    社会の波に揉まれて生きている人間の心がよく書かれていて考えさせられました。

  • 第10話 告白への応援コメント

    色々な出来事がつながって面白いです

  • 購入したいです。

  • 第9話 生活の旅への応援コメント

    何とか無事に仕事を済ますことができて、良かったなあ。食料調達の苦労はいつまで続くのだろうか。この先が心配。

  • 第1話 帝国海軍大勝への応援コメント

    素晴らしいですね。是非、出版してください。沢山購入致します。

  • 第8話 空白への応援コメント

    ちょっと、次回の展開が楽しみにです。何が起こるのか・・・