番外編 告白大行列!②
なるほど、そういうことね……。
目の前で申し訳なさそうな顔で説明をするレオンを眺めながら、黙って紅茶を飲む。レオンの両隣と背後で側近の3人も、ハラハラしたような顔で私たち2人の様子を見つめている。
なぜこんな状況になっているかと言うと、白熱した議論をみせる男性陣達に飽きた……げふんげふん、男性陣たちの邪魔をしてはいけないと思った私は、そっとその場を立ち去ろうとしたのだ。
すると、そんな私の姿を目ざとく見つけたレオンが、半狂乱で私のことを呼び止めた。『ツェリ! 私を置いてどこへ行こうというのだ!? 』と。
いや、最初に私の事を置いてきぼりにしたのはレオン、貴方でしょう……そう思ったが、レオンの事をよく知る私は口を閉ざした。
そんな事を言ったが最後、レオンがじめじめとキノコを生やしながら、謝り続けるに違いないからだ。まぁ、そんなレオンもとても可愛いのでいいのだけれど、レオンのそんな姿を側近の3人や、近衛騎士達にまで見られるのは少し面白くない。
そのまま口を閉ざした私に、レオンは何だか勘違いを加速させながら、今まで側近の3人とレオンで立てていた計画の事を、全て話してくれた。
「ツェリ……? やっぱりツェリの事を放置していた事を怒っているのか? 」
私が、レオン達が立てた計画の事について考えていると、レオンが萎れた花のようにしおしおと、私の方を見つめてくる。萎れた姿も儚さが加わって良いわね……って違う違う!私、さっきから一言も話してないじゃない!そりゃレオンもそんな姿になるわ!
「ごめんなさい、レオン。私、決して怒っていた訳では無いのよ? ただ、レオンが……その、3人とばかり楽しそうに話しているから、私、少し寂しくなってしまいましたの」
無理!!!側近の3人にまで嫉妬してたとか白状するの恥ずかしすぎる!!女は度胸だって言ってみたけど、早くも後悔!
「ツェリ……ッ!! 3人に嫉妬したのか?ふふ、嬉しいものだな」
はい、更に無理なの来ましたー!レオンが大輪の花を咲かせております!!!美しすぎて直視できない!嫉妬されてるの嬉しいとかなにそれ可愛すぎるでしょ!?こんちくしょう!
「なぁ、姫さんと大将、完全に俺らの存在忘れてるよな? 」
「完全に2人きりの世界だよねぇ〜」
「透明人間にでもなった気分ですね」
砂でも吐きそうな顔をして、ポツリと呟く側近の3人と、同じような顔をして無言で頷く近衛騎士達。
そんな男たちの目の前では、先程までの余裕のなさはどこへやら、愛しい婚約者を余裕の笑みでからかう月の王と、顔を真っ赤にして恥ずかしがる黒豚の姫の、桃色の甘い空間が繰り広げられていた。《《》》
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