第8話 幸運

幸運だったな、と言ってキミは薄く笑った。

信じていた、頼りにしていた、ずっと一緒だと思っていたのに。裏切られたことよりも、もう2度と今までのように笑ったり遊んだりできないことの方が辛いのは、一体なぜ?


幸運だったな、とあなたは言ったけれど、昨日までの自分の方が幸運に思えるよ。気づかずにいたせいで、どんな運命がその先に待っているとしても。

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