第426話 テスト期間の5日間~。3日座学、2日実技~。
期末試験の準備週間が明け、テストの週が訪れた。男子達の顔が絶望だったのは言うまでもない。
〈マッチョーズ〉なんて、どうにか筋肉をテストで活かせないか考えていたようだったが、無駄に終わったみたいだ。
来年には彼らともお別れか。寂しくなるな。
テスト一日目。国語、数学。二日目、歴史、
一日目、二日目、三日目と難無く終了。難無くである。ふはははは!
日に日に男子達の顔がやつれていくのは気にしない。
四日目。今日から実技テストだ。男子たちが息を吹き返す。
〈ダン活〉では筆記テストだけで終わらず、ちゃんと授業で習ったことがダンジョンで活かせているのか、その実技テストも行なわれる。まあ資格のテストみたいなものだ。
教わったことを、先生方に見えるようアピールしながら動けば問題無いだろう。
俺たち1組はレベルも高く能力も高いため、その実技テストの内容もかなり高レベル。
のはずなのだが、まあ1組〈エデン〉メンバーはセレスタンとミサト以外LVカンストしているのだ。正直みんな余裕だったようだ。
とはいえ初めてのテストで〈バトルウルフ〉をチョイスするとはラダベナ先生も中々にスパルタだな。
まあ1組で〈バトルウルフ〉を相手に負けるような貧弱はいない。
難なく、とは言いがたい人もいたが、無事全員が〈バトルウルフ〉を撃破した。
「毎年大体2パーティから3パーティは全滅するんだけどねぇ。今年の学生は優秀だね。こりゃ、もう一段上のダンジョンでも良かったかもね」
ラダベナ先生がさらにスパルタなことをおっしゃり、学生たちを震え上がらせていた。
〈バトルウルフ〉はこれでも強敵。
実際1組でもギリギリで勝てたパーティもいたのだ。さらにレベルを上げられたら突破は難しいだろう。
また、この日までに
ちなみに、1組30名のうち、〈エデン〉が12名、〈天下一大星〉が4人、〈マッチョーズ〉5人、〈アークアルカディア〉3人、の一年生三強ギルドに関わる24名と他1名は余裕でクリア組。
残り5人がギリギリ組だった。
意外だったのは余裕組にいた1人の女子だ。
あの子は確か、クラス替え初日に前半組に選ばれていた子だな。覚えがある。
確か名前はミュー。白に近い青系のボブヘアーに自己主張の少ない静かな目をした子だ。
ノーカテゴリーで【狩人】系の高位職、【ハードレンジャー】の
武器はスナイパー系のでかくて長い銃で遠距離系、さらに
LVも48とかなり高く、〈エデン〉以外でここまで優秀な子は中々お目にかかれない。
少し驚いた。
授業でもあまり目立とうとしない子だったから見落としていたのか?
別にスカウトは考えていないが、クラスに実力者がいるのはありがたい。
夏休みが終わって少ししたらクラス対抗戦が待っているからな。
このテストは学生たちの能力を測ると同時に、クラスの戦力を測る場でもあるのだ。
彼女はクラス対抗戦で大いに活躍が見込めるだろう。
俺は心のメモ帳にそっとそのことを書き込んだ。
五日目。
本来なら選択授業のある金曜日だが、基本的に選択授業でテストというものは無い。
有るところはあるが、それは先週の金曜日か来週の金曜日に行なわれるはずだ。
今週は通常授業の実技試験2回目がスケジュールに入る。
昨日はバトル関係だったので、今回は素材ドロップ系だ。
どのモンスターからどんな素材がドロップするのか、これが結構難しい。
何しろ1種のモンスターからとんでもない種類がドロップするのだ。全部覚えるのは中々厳しい。
俺は全部覚えたけどな。
筆記テストでも出題されたが、今回は実技。実際そのドロップを持ち帰れというミッションだな。
ミッションが始まるまでどんな素材が出題されるか不明。お題はカードに書かれて裏返しにされたものをランダムに学生が1人につき三枚引き、それで決まる。まるで借り物競争みたいだ。
どこのダンジョンにいる、どんなモンスターからドロップする物なのかを覚えていないとクリアは難しいだろう。
もちろんドロップが辛く、手に入らないことも有る。
その時はお題のモンスターのドロップを5種類持ち帰ればそれでも可となる。
例えばモチッコのドロップ〈餅米〉を取ってきなさいというお題でも、何度倒しても出ないときは仕方ない。〈米〉〈トウモロコシ〉〈稲〉〈小麦〉〈大麦〉の5種類を持ってきてもそれで合格の扱いとなる。
もちろんまったく勘違いして別のモンスターを狩っていて、おかしいな出ないな出ないならしょうがないなと5種類持っていったら別のモンスターだった。ということもありうる。その時は徒労だな。得点ならずだ。
ここからはパーティを組んでも良いし、ソロで挑んでもいい。
パーティで挑んだ場合はパーティ全員分のお題をクリアする必要がある。その代わり道中の安全度は上がる。
当然ながら、テスト中に戦闘不能になった者は大幅減点だ。
理想は2人~3人で回ることらしい。
ちなみにカードに書かれている内容は公開禁止だ。
パーティを組むときは、「どこのダンジョンの何々モンスターを倒したい」という風に伝えなくてはならない決まりだ。決まりを破るとカード引きなおしの上ペナルティーで点が下がる。気をつけろ。
つまり、この素材どこにあるんだろうと相談することはダメということだな。これ、テストだし。
ちなみに俺たち〈エデン〉のメンバーはLVがカンストしているので道中の問題は無い。場所は
そしてミッション開始。全員がソロでダンジョンに挑み、12人中7人が全問クリアした。2問正解は3人。カルアとパメラは1問ギリギリ正解して切り抜けていた。まあ赤点は免れたので問題は無い。
少しヒヤッとしたが。
こうして五日行程のテスト期間は無事終わったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます