第344.5話 学園・情報発信端末・誰でもチャット掲示板24




222、名無しの斧士2年生

 いよいよ〈エデン〉VS〈天下一大星〉のギルドバトル、始まるな。


223、名無しの大槍1年生

 実況席がすごい賑わいなんだけど、

 あれって誰だ?


224、名無しの筋肉1年生

 知らんのか大槍の。

 実は俺も知らないんだ。


225、名無しの神官2年生

 げふんげふん!

 おい、笑わせんな!

 あれは【マルチタレント】のキャスさんと【貴公子】のスティーブンさんだろ。

 ギルドバトルの解説者としていろんなところで見かけるぞ。

 この前の〈キングアブソリュート〉VS〈千剣フラカル〉の時もいたしな。

 あ、ちなみに名前だしは本人に許可を貰ってます。


226、名無しの剣士2年生

 確か上位のギルドバトルでは引っ張りだこな方々だった気がするっす。

 上位のギルドバトルにも付いて行ける深い知識と分かりやすいコメントが人気を呼んでいるらしいっすよ。

 自分のギルドバトルには来てくれたことなかったっすが。


227、名無しの支援3年生

 それだけこのギルドバトルが注目されているということだろう。

 正確には今話題の〈エデン〉がどういったギルドバトルを行うのかが注目を集めているのだ。

 ここ最近の勇者の情報は爆弾じみている。みな爆発で粉々にならないよう情報集めに余念が無い。

 今日も何かしらの情報爆弾が爆発するのではないかと噂されている。


228、名無しの剣士2年生

 ああ! 観客席に上位のギルドや最上級生が多いのはそのせいっすか!


229、名無しの盾士1年生

 さすが私たちの勇者君ね。


230、名無しの商人1年生

 私、今日は勇者君から片時も目を離さないわ。


231、名無しの神官2年生

 いやギルドバトルを見ろよ。


232、名無しの斧士2年生

 スクリーンにカウントダウンが出た。

 もうすぐだな。


233、名無しの剣士2年生

 その前になんかコントやってなかったすか?

 なんか猿轡を噛まされている人がいたような。


234、名無しの神官2年生

 気のせいだろ。


 ・

 ・

 ・


246、名無しの支援3年生

 始まったぞ。

 まずは初動だな。


247、名無しの女兵1年生

 〈エデン〉速い!

 でも3人? あ、さらに後ろから3人が追いかけてきているのね。

 一緒に行動しないの? 珍しいわね。


248、名無しの支援3年生

 〈エデン〉のギルドバトルを見るのはこれで三度目だが、初動はこのように足が速いものがレールを敷き、遅い者が追いかけるようにして進む戦法を採用しているようだ。

 確かに〈天下一大星〉のように大人数で行動するとどうしても全体が遅くなる。速い者は速いチームへ、遅い者は遅いチームに分けてしまったほうが結果的に速いようだ。


249、名無しの大槍1年生

 べ、勉強になるな。

 同じ1年生なのにこうも動きが違うのか。


250、名無しの盾士1年生

 私たち1年生の中ではトップのギルドですもの。

 文字通り格が違うわよ!


251、名無しの神官2年生

 と話しているうちにもう〈中央巨城〉着いたのかよ!

 スリーマンセルだからって中央に着くの早すぎるだろ!


252、名無しの支援3年生

 防衛モンスターも一見簡単に倒すな。

 〈エデン〉はモンスターを早く倒すのに慣れきっているように見える。

 普段から時間を気にして練習しておかないとこれが意外に難しいのだが。

 〈エデン〉はどんな訓練を積んでいるのか。


253、名無しの神官2年生

 〈エデン〉は先を見通してメンバー全員がこれを出来るように訓練しているってことか?

 おいおい、すでに形になっているどころか2年生でもここまで形に出来ているギルドは少ないぞ?


254、名無しの盾士1年生

 先輩の目は節穴ね。

 勇者君は講師なのよ?


255、名無しの商人1年生

 人に教えるなんてお手の物よ。


256、名無しの神官2年生

 ああ、なるほど。

 というか〈エデン〉が思った以上にヤバイギルドなんだけど!?

 勇者が教え上手ってそんなのって有りなの?


257、名無しの錬金2年生

 有りに決まってるじゃない。

 そしてゆくゆくは私に手とり足とりよ。


258、名無しの剣士2年生

 錬金さん、妄想がだだ漏れっす!

 それよりギルドバトルっすよ!


259、名無しの神官2年生

 そうだな、一旦置いておこう。

 お、〈天下一大星〉も到着して激しい削りあいが始まったな。

 〈エデン〉は巨城落としは間に合わなかったか。

 こりゃどっちが落とすか分からなくなったな。


260、名無しの魔法使い2年生

 〈天下一大星〉の方は10人ね。

 これはひょっとするかもしれないわ。


261、名無しの支援3年生

 いや待て、これは。


262、名無しの大槍1年生

 うお! なんだ今の!?


263、名無しの神官2年生

 〈エデン〉先取!?

 ちょっと待て、今残り3割くらい残ってたHPが消し飛んだぞ!?

 なんだ今の!?


264、名無しの剣士2年生

 お、落ちつくっす!?

 解説の方が説明してくれるみたいっすよ!


265、名無しの支援3年生

 あれは同時着弾攻撃だな。


266、名無しの剣士2年生

 ああっと、さすが支援先輩っす!

 実況のキャスさんとスティーブンさんが言う前にすでに解析してくれてるっす!


267、名無しの支援3年生

 うむ。

 今のは同時着弾攻撃に間違いない。

 名前のとおり、攻撃をまったく同じ時間に着弾させる技術だ。

 メンバーとの連携もさることながら個人が優秀でないととても時間を合わせる事なんて出来ない、非常に高度な技術の連携技だ。

 しかもそれを6人で行なったのだから〈エデン〉がどれだけ優秀か分かるだろう。


268、名無しの神官2年生

 おいおい、凄まじいな。

 これも勇者が教えたのか?

 1年生の技じゃねぇぞ! 3年生同士のギルドバトルだって使ってるのなんてほとんど見たことがない。


269、名無しの剣士2年生

 あ、今度は〈南東巨城〉が狙われてるっす!


270、名無しの支援3年生

 さすが初動。展開が速すぎるな、いちいち解説していられん。

 ふむ、これは〈天下一大星〉が完全に出遅れたな。


271、名無しの魔法使い2年生

 相変わらず〈エデン〉は速いわね。もう〈南東巨城〉に隣接するわ。

 でも、ちょっと変ね。


272、名無しの斧士2年生

 ああ。

 なんで〈エデン〉は妨害に徹しない。

 あそこは相手の進路を完全に奪って行進不能にするべきだろう。


273、名無しの神官2年生

 いや待て、この展開、さっき見た気がする!?


274、名無しの大槍1年生

 あ、後続の2人が追いついて。


275、名無しの支援3年生

 また同時着弾攻撃!

 〈エデン〉が〈天下一大星〉を巨城に通したのはHPを削らせるのが目的か!

 一歩間違えれば〈天下一大星〉に巨城を奪われていてもおかしくはなかったというのに、〈エデン〉はそこまで同時着弾攻撃に自信があるのか!?


276、名無しの剣士2年生

 支援先輩が驚愕してるっす!?


277、名無しの大槍1年生

 実況のキャスさんとスティーブンも周りの観客もすごい歓声だぞ。

 魅せるな〈エデン〉は。本当に俺と同い年なのか?


278、名無しの神官2年生

 言うな。悲しくなる。

 すでに今の〈エデン〉に挑まれたら負けそうなんだ。

 俺は先輩の肩書きをどうすればいいんだ?


 ・

 ・

 ・


310、名無しの王女親衛隊過激派

 おお! さすがラナ様です!

 いいスイングです。


311、名無しの王女親衛隊その3

 すごいよねラナ様、魔法も強いけど接近も得意みたい!


312、名無しの王女親衛隊その4

 遠距離も近距離も強いとか最強かよ!


313、名無しの盾士1年生

 キャー素敵!

 いいわ、もっとやっちゃって!


314、名無しの商人1年生

 いいわ! もっと、もっと頭を叩くの!

 〈天下一大星〉を豚箱へ送るのよ!


315、名無しの歌姫1年生

 HPを減らさないようにあえてスキルを使わないのかな?


316、名無しの狸盾1年生

 う、恨みが篭ってますですね。


317、名無しの女兵1年生

 〈エデン〉の女子たちも相当頭にきていたみたいね。

 仕方ないわよ。

 見て、観客席にいる女子たちもほとんどが肯定組よ。


318、名無しの剣士2年生

 お、おそろしいっす。

 女子たちがおそろしいっす。

 男子は見て見ぬふりか俯いてプルプルしているっすよ。


319、名無しの錬金2年生

 〈エデン〉のメンバーは優秀だわ。

 これで私たちも溜飲が下がったかしら。


320、名無しの王女親衛隊過激派

 いいえ、足りないわ。

 まだたったの4人だしね。


321、名無しの王女親衛隊その3

 そうだよね。残り時間もまだ3分の1が終わったばかりだもん、

 ギルドバトルもこれからが本番だよ。


322、名無しの神官2年生

 い、いやあ。でも〈気絶〉させてボッコボコは……。


323、名無しの王女親衛隊過激派

 ん? なあに?


324、名無しの神官2年生

 あ、なんでもないです。


325、名無しの剣士2年生

 〈エデン〉の対人戦はおそろしいっすね。


326、名無しの支援3年生

 今の追い詰め方は非常に連携の取れた上手い展開だったのだが、

 語りそびれてしまった……。




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