第17話 ウーバーイーツ宅配員のあいつ
壬屋子は不機嫌そうに夜の街を歩く。
夜守の日課の哨戒任務だ。
修二も辺りを見回しながら歩いている。
壬屋子も同じ動作をするが、どこか上の空だった。
あの後もこっぴどく御代に叱られ
流石に堪えた。
あの六畳の弟子を追いかけるのはあきらめるしかない。
・・・
ここはあいつもうろつく地域・・・
偶然出くわして、偶然あいつの剣が見えてしまった。
そう、偶然!
これなら御代に怒られないかしら?
ちりんちりんという自転車のベルの音
「あ、すいません」
壬屋子は慌てて道を譲る。
「あれ・・・」
「ああ、最近増えたよな、宅配業のウー・・・なんだっけ」
「あいつ・・・」
壬屋子は顔色を変えて走り出す。
必死に自転車を追いかける。
追跡に気づいたのか、自転車の運転者は速度を上げる。
「こら!待てって言ってるでしょ!・・・待たないなら」
壬屋子は、穢裁刀を構えて集中する。
空撃・飛影
鞘から穢裁刀を抜いた瞬間
黒い影が斬撃と同時に飛び出して飛んでいく。
ギリギリ当たりそうなところで、自転車はぱっと旋回してそれを避ける。
「危な・・・」
「ちょっと、四冥、そんなカッコで何してるのよ!」
「いや、普通に労働だけど」
四冥は迷惑そうな顔で、壬屋子に説明する。
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