【信じていたのに…】

5月12日・くもり


ゆうべ、社長さんからいただいた2000万円の小切手を使って、1600万円のローンを完済した。


借金から解放されて、めでたしめでたし…


…と思ったら…


…………………


一転して、ジゴクに突き落とされた。


この日の夜のことであった。


場所は、アタシが勤務しているスナックにて…


開店準備を終えて、ひといきついたときだった。


ホステスのちーちゃんがアタシに『今週の(週刊)ポストを読んだ?』とトートツに言うた。


アタシはキョトンとした表情を浮かべた。


ちーちゃんはアタシに『とにかく読んでください』とせっぱ詰まった声で言いながら、最新号の週刊ポスト(小学館)を差し出した。


雑誌を受け取ったアタシは、ちーちゃんが言うた例の記事が書かれているページを開いた。


この時、アタシの顔が真っ青になった。


○△興産F原G作の悪事…


○△興産と言えば、アタシが購入した分譲マンションを販売していた不動産会社だった…


問題の経営者は、暴力団とグルになってあくどいことをたーんとしていた…


最初の見開き2ページに、経営者の男が暴力団(北九州の極悪非道のヤクザ組織だったと思う)の親分とナンバーツーの男と3人でシャンパン入りのグラス片手にヘラヘラしている写真がデカデカと載っていた。


ことの次第に気がついたアタシは、怒りに震えた。


ふざけんなよ!!


鹿児島に定住すると決めて分譲マンションを購入したのに…


コキャクから受け取った売上金が、暴力団関係者のもんとゴーユーに使われていた…


経営者は『(北九州の極悪非道のヤクザ)はワシのケツモチ(用心棒)だから、お前らがどう訴えようが、ワシは負けへん…』と言うツラしとる…


許さない!!


アタシの怒りは、一気に頂点に達した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る