【放浪恋愛】まりなの日記

【サイテー!!なんなのよ!!】

（平成26年）

１月11日・晴れ

アタシとたくみは、同棲生活を通じて結婚の約束を取りつけた。

クリスマスイブの夜、アタシとカレは広島の基町グレイドのリーガロイヤルホテルへ行った。

ふたりでクリスマスディナーを楽しんでいる時、カレから婚約指輪をプレゼントされた。

アタシは、この上にない幸せを手にした。

しかし『好事魔が多し』のことわざ通りに、アタシとカレの関係は音をたてて壊れ始めた。

それは、この日の午後のことであった。

ところ変わって、フジグラン岩国のフードコートにて…

めん類店のチュウボウのバイトが一息ついたので、アタシはチャーハンとギョウザでまかないメシを食べていた。

その時、同じバイトの同僚のＣさん(53歳のおばちゃん)がアタシに声をかけた。

Ｃさんは、アタシにものすごく言いにくい声で『ちょっと小耳に挟んだ話なのだけどねぇ…』と言うた後、衝撃的な言葉を発した。

「まりなちゃん、たくみさんはやめておいた方がいいわよ。」

アタシはそれを聞いて、Ｃさんに『えっ？それはどうして？』と問うた。

Ｃさんはアタシに『あんたのカレがねぇ…他の女の人と一緒にカッコイイ外車に乗っているところをアタシ見たんよ…』とケーソツな声で言うた。

ウソよ…

そんなんウソよ…

絶対ありえへん…

アタシは、何度も何度も繰り返してカレは浮気をするような人じゃないと言い聞かせた。

せやけど、Ｃさんは『男の人は、分からないわよ～』と不気味な声でアタシに言うた。

Ｃさんは、いらんことをペラペラペラペラペラペラペラペラとしゃべくりまくるけん…

アタシは困っとんよ。

その日の夕方であった。

アタシは、錦川にかかる愛宕(あたご)橋の上で、川のせせらぎを聞きながらメンソールをくゆらせた。

この時、アタシはえげつない光景を目撃した。

河川敷に、一台のメルセデスベンツが止まっていたのを見た。

あれは、カレが乗っている車だわ…

そう思って、急いで河川敷へ向かった。

そしたら…

案の定、カレが他の女と車の中でえげつないことをしていた。

それを見たアタシは、思わず絶句した。

カレは、助手席に乗っている23歳のホステスの女に軽薄（けいはく）な声で言うた。

「君は…ブルーベリーのようにとろけているねぇ…好きだよ…」

「そんなこと言ってぇ…同棲しているカノジョはどうするのよ？」

「まりな…まりなは友達だよ…ぼくは…リサのことが好きだよ…」

「やだ…たくみったら…」

そして…

カレは、アタシの前で他の女とキスをした。

さらに…

「リサ…」

その上にまた…

カレがアタシの前で、他の女とより過激なことをしていた。

アタシは、右手をギュウとにぎりしめてこぶしを作ってワナワナと震えた。

サイテー…

何なのよ…

あいつは、若くてグラマラスのコに乗り換えた…

浮気者!!

絶対にこらえへん!!

アタシはこのあと、錦帯橋まで走って行った…

錦帯橋の近くの河川敷に降りたアタシは、泣くだけ泣いた。