【入籍】

5月9日・くもり


アタシとあいつは、この日市役所に婚姻届けを出した。


けど、そんなんどーでもええ…


その日の夜のことであった。


この日の夕食は、アルミニウムの容器のキンレイの鍋焼きうどん(ローソンで買った1個298円の冷凍食品)である。


アタフタと支度をしているアタシに、義母がイチャモンをつけた。


「あのね!!アタシは夜のバイトに行くのよ!!(アルミニウムの容器の)鍋焼きうどんが不満やったら食べんといて!!」

「まりなさん!!けいぞうになんでひどいことするのよ!!」

「はぐいたらしいシュウトメね!!そないに言うのであればあんたがすればいいでしょ!!アタシはあいつの安月給のせいで苦しんでいるのよ!!ほな、行ってこうわい!!」


義母とひどい大ゲンカを起こしたアタシは、赤茶色のバッグを持って、バイトへ向かった。


アタシが出掛けた後、義母はあいつに『お母さん…心臓がドキドキするのよ…どうして、恐ろしいお嫁さんしかいないの…』と泣きそうな声で言うた…


しゃーないわよ…


アタシは、怖いお嫁さんだから…


そないふうに言われても…


しゃーないわよ…


義母とひどい大ゲンカを起こすたびに、アタシはこうつぶやいた。

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