【温かい家庭なんかいらない!!】

5月11日・くもり


アタシは、前日に長女さんの婿さんが買ってきて下さったハーゲンダッツのアイスクリームがアタシの分がないことに腹を立てて、笠置さんの家族ともめ事を起こした。


それ以前にも、にたようなもめ事を起こした。


三日前に三本松の駅前の洋菓子屋さんのプリンがないことでもめた…


そのまた前は、婿さんが買ってきて下さったケンタのフライドチキンがなくなっていたことなど…


食べ物のもめ事ばかりを繰り返していた。


原因は、婿さんがうっかりしてアタシの分を買うのを忘れていたことであった。


そのせいで、アタシは婿さんと不仲になった。


話は変わるけど、この日の夕食は、笠置さんの奥さまと長女さんがアタシの不満をやわらげてあげたいと思ってとびきりの料理を作ると言うた。


しかし、奥さまと長女さんが長編のサスペンスドラマの再放送にのめり込んでいたので、料理を作る時間をきれいに忘れた。


長女さんは、あわてて近くのマルナカへオソウザイを買いに行った。


夕食は、おそうざいをお皿にテキトーにもりつけたものであった。


そんなもん食べる気せえへんけん、アタシは『ごちそうさま。』と言うてはしを置いた。


一口も食べていないアタシを見た長女さんが心配になって『どうしたのかな…』と言う表情を浮かべた。


アタシは、それが気に入らへんけんグーで婿さんのこめかみをどついたった。


(ガツーン!!)


「なにすんねん!!」

「ふざけんな!!あんたのよめがアタシをブジョクしたから仕返しよ!!」

「なんだとこのやろう!!」

「やかましい!!どつき回したる!!」


(ガラガラガラガシャーン!!)


ブチ切れを起こしたアタシは、婿さんとドカバキの大ゲンカを起こして、食卓をわやにしたった。


(その2日後、まりなは欠勤と早退を繰り返すようになったのと同時に、もめ事と家出を繰り返すようになった。)

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