白木蓮

大きな一片を抱いて出る

春始まりの白木蓮

美しき枝は空に伸び

芽は小さく綻んでいく

白の花は純潔の色


余計な枝を切り

一枝にひとつ

花を咲かせて大きく大きく

暫定の恐ろしさは白に輝き

白の花は純血の色


散ることなかれ

しかし、散るらん

地面を純白に包みあげ

それは花嫁の色


カケラ集めて一花咲かせ

穢れなき白にひと思いさせるのだ

「美しかった」と知らしめる

かの花は高潔な春の花


決して汚すことなかれ

裾を持つのは我が両手

白いままで生かして掬う

落ちることは罪ではない

次に繋がる罰である


さらさらと棄てる

愛の形

膨らむ袋に閉じ込める

清いまま終わり給え

私は自然に抗う咎人よ

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