第37話 アレルヤ(ハレルヤ)を謡う魔物の少女

「アレルヤ(ハレルヤ)アレルヤ(ハレルヤ)・・」「オフイリア・・」

「・・イセレ」

それは綺麗な声で 呟くように謡っている 


謡うは魔物の少女 


裸足で 海賊船の甲板の床をゆっくりと踏み歩きながら 

彼女は青い その青、海のような瞳を輝かせていた。 

貴族の娘らしき服装 黒髪とドレスが海風になびいていた。


彼女が歩いた後、まるで印のように痕を残すか如く

一歩ごとに甲板は軋む音と共にゆっくりと砕けてゆく・・

ギュキリリ、キイイイン

バキンイイインン!


そうして船の甲板の床に大きな穴が見えている



「あ、青い目の魔物(ジン)だ!」海賊の一人が蒼白になって叫ぶ

「ひいい・・」「撃てえええ 何をしている!」そうして海賊達が大騒ぎしている


魔物少女、彼女に鋭い爆音と共に次々と撃ち込まれてゆく マスケット銃(火縄銃)


だが、彼女には サラには弾丸は届かずにいる。

キイイーンンと甲高い音を立て弾かれる火縄銃の弾丸


獲物を前にした 肉食獣の笑みを浮かべるサラ 魔物の少女


パラリと海賊達に縛られていた縄が解ける 囚われのリヒター修道僧たち


「あ・・あれは そうだ思い出した 前に見た時は少年だったが? いや、別人か」

「あの海戦の時に見た姿のまま」リヒター修道僧 

 しばしの沈黙の後で 無意識に胸元で十字を指先で描く


「リヒター修道僧さま あの子は10歳の幼い少女だったのに

あっと言う間に 今は16歳になって」ガタガタと震えながら言う 

看護婦見習いマーニャ






※曲のイメージはO Filii et filiaeとなります ドキドキ^^;

※サラ・・シャラですが 何処ぞのダンジョンで遊んでます 多分(?)



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