第28話 角砂糖と城塞都市

 蟻人達との戦闘の中、一体のゴスロリゴーレムちゃんの悲鳴が心の中に届いた。


その悲鳴は、心を揺さぶり俺はゴスロリゴーレムちゃんを失う恐怖と怒りに支配された。


怒りの心のまま異能を発動したが、異能は怒りの心には反応せず恐怖に反応した、・・・・・・そして恐怖の存在を作り出した、俺の異能もポンコツ系自爆体質なのか。


いや、ここはカッコよくて強いゴーレム作って、ゴスロリゴーレムちゃんを助ける場面じゃないのかな、小一時間程深く考えたいところだ。



ちょと逃避したけど、


助けて!! 死んで来いって言った8体のゴーレムが周りを取り囲んで、不気味な笑顔と気色の悪い笑い声を出しながら、指先で手でおさわりとお肉をモミモミしてくる


「ブヒ~~~~~~!!」




「さてと、マスターとのスキンシップは堪能した」


8体のゴーレムは、俺から離れ王座に腰かける蟻人姫と俺との間に進み出た。


「蟻人姫、あの戦いの時の一番大きな蟻であろう、気配が同じじゃ」


蟻人姫の口角吊り上がる


「おかしな異能を使うゴーレム共よ、また 叩きのめされに来たのか!!」


「おお、また我らにご褒美をくれるのか!!」


蟻人姫の口角が今度は垂れ下がり、非常に嫌そうな顔になった。


「嫌もうよい、お前たちの相手は疲れるだけで意味が無いし、気味が悪い」


「我らは、いつでも どこでも どんなプレイも受けて立つわよ」


ああ、考えたくも無いが殿をまかせた、8体のゴーレムはいったいどんなプレイをしたのだろう、いや 戦闘してたんだよね。


そして、異能を使ったのか。 たかが8体のゴーレムを作るために、今までにない程に脂肪と血肉が無くなった思ったら、とんでもない物を作りだしたようだ。


「蟻人姫よ!! マスターに強欲にも更に追加の賠償を求めようとしておるのか? 天井からの落下死しかけたのだぞ、これ程の危機をマスターに与えて、それは無いのではないかな」


え!!


「そうじゃの、これ程の芸を見せられては、これ以上の交渉は野暮なようじゃの」


え!!


「ほう、では この積み上げられた角砂糖で納得して貰えるとの事で良いのかの?」


おお!!


「もちろんじゃ、この角砂糖で此度の事は水に流そう」


おおおおお!!


8体のゴーレムが、振り返り俺を見て ドヤ顔した。


うざい!! しかし、こいつら見れば見るほど、そっくりだ


8体の女性型ゴーレム その姿は、貴婦人が着るドレスを纏い素の顔は高貴さを感じさせる顔立ちの美貌を持っている。


ま、ほとんどアヘ顔かエロ顔で変な笑い声を出しているが。 


「で、ゴーレム達よ お願いがあるのだが聞いて貰えないだろうか」


「願い? もう角砂糖は渡さないわよ」


「いやいや、そうではないのだ、私はこの素晴らしい城とこの素晴らしい街を見て思ったのだ、私もこのような所で暮らしたいと、本当にお前たちのマスターは果報者だ、このように素晴らしい街をわずかな期間で造りだす、お前たちのような素晴らしいゴーレムに囲まれて、本当に羨ましい」


目の前の8体のゴーレムが頷いている、そしてまた振り返っててドヤ顔した。


うざい!!


俺も周りを見ると謁見の間の脇に整列しているゴスロリゴーレムちゃん達が、うんうんと首を縦に振り、俺に向かって全員でドヤ顔した。


可愛い!!


「で、じゃ 私にもこのような素晴らしい街と城を友好の印に作ってもらいたいのじゃ、実は其方達が侵入した巨大な地下空間は、私が女王から独立した時に私の居住地となる予定の場所だったのだ、どうだろう ここからすぐそこの場所だし、作って貰えないだろうか」


蟻人姫は、王座から立ち上がり檀上から降りてきて頭を下げた。


謁見の間で忘れられたように、土下座待機していた蟻人達から


声を殺した、うめき声が上がった。


「よかろう、友好の印にマスターのこの城塞都市に負けない、街と城を作ってやろう」


ああ、蟻人姫に自尊心をくすぐられて大満足、そして蟻人姫に対してドヤ顔してるんだろうな、周りのゴスロリゴーレムちゃん達もドヤ顔してるんだろうな。


そして、俺は心の中で歌いだす。


 ああ、白き 白き角砂糖~~ 一辺1mの巨大角砂糖~~ 1個50万エリン あと50個出して終わりにしようと思っていた~~~。


50個で2500万エリン~~~、王都で小さいけど~~~土地付き一戸建が買えるよ~~


土地代は無料だけど、城塞都市とお城一件建てるのに、幾ら掛かるのかな~~~


ルルルル~~~、ルルル~~~


「ブヒ~~~~!!」


心の中で、歌い終わり現実に戻るころには 蟻人姫と蟻人達は既に帰った後だった。


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