第26話 床下の恐怖

 「林人、お前 おいしそうだな!!」


はい、第一声から危険ワードを蟻人姫からいただきました。


もっちりお肉な俺が土下座して目の前に居れば、そのお言葉頂けると期待しおりました。


「…………、…………」


なんでやねん!!と、突っ込む予定だったのですが。


見上げて蟻人姫を見ると、目が本気だと物語っていた口からは涎が垂れてるし


恐怖で、言葉が出ませんでした。


「マスター、危険度レッドゾーン突入 緊急回避プログラム発動!!」


床の下から、ゴスロリゴーレムちゃんの声が聞こえた。


ガクン


俺の土下座している床が落ちた、俺も一緒に落ちた。


床の下には、ゴスロリゴーレムちゃん達がいた。


「マスター、大丈夫ですか?」


「うん」


「了解!! では」


そして、床は上がっていく俺と共に



 床が元の位置に戻ってみると、蟻人姫が檀上の王座を降りて目の前にいた


「林人、何がしたいのだ?」


「さあ、何がしたいんでしょう?」


作り笑いで、頭を掻くしかない。


「緊急回避プログラム 第二弾発動に備え、射出準備に入れ!!」


「「「「お~~~!!」」」


そして、床の下からゴスロリゴーレムちゃん達の声が聞こえる。


何を、射出するのかな、疑問と不安に襲われまくる、俺。


だが、もう蟻人姫から恐怖は感じない、…………それ以上の射出の恐怖が俺を襲っているから。



 「ファンダリア王国 男爵 オククと申します、姫様」


蟻人姫は踵を返すと、王座に戻り深く腰掛け


「ふむ」


と、一言だけ答えた


「この度は、蟻人の皆さまの領域とは知らず 我らが領域を広げ不幸な遭遇戦が発生した事 まずは謝罪させていただきたいと考えております」


再度仕切り直しの綺麗な土下座を俺は見せる。


「そして、こちらを賠償としてお納めいただきたく」


パン、パンと手をならす


ゴスロリゴーレムちゃん達が、大量の巨大角砂糖を持って謁見の間に入場してくる。


巨大角砂糖を、蟻人姫の前に積み上げる その数 100 1辺1mの巨大角砂糖が山脈を作りだす。


「いかがでしょうか、これで手打ちにしていただけないでしょうか」


「ん、我らが領域に侵入し平民蟻共を多数殺しておいて、この程度ですむと思うのか?」


 蟻人姫が獰猛な笑顔を見せてくる。


が、涎出ていますよ蟻人姫 目がすでに角砂糖に釘ずけですよ。


もちろん、追加の角砂糖は準備しているが、ここで一気に追加の角砂糖を出して纏めるべきか、それとも交渉を続けるべきか。




「第二弾の発動はまだか?」


「射出準備完了 いつでもいけます!!」


「地表まで、打ち出してやるぜ!!」


おお、何か床下からゴスロリゴーレムちゃんの声が聞こえる。


うお、発射されてたまるか、追加の角砂糖だして交渉をまとめよう。


パン、パン 手をならす


「緊急回避プログラム 第二弾発動の合図だ」


「発動、射出!!」


「「「射出!!」」」


ゴスロリゴーレムちゃん達の声が床下から聞こえる いや、違うよ追加の角砂糖出す合図だよね。


凄まじい圧迫感を全身に感じた、石床ごと俺は打ち上げられたのだ。






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