1月16日 緑川春海の日記

 ガラスの鍵 読了


 朝 シリアル トースト

 昼 レトルトの親子丼

 夜 スーパーの唐揚げ ご飯 みそ汁


 Mは大学にいた。

 生協の本屋の資格コーナーでたそがれていた。

 資格なんか取ったってムダだって。

 しょせんは実力、弱肉強食。

 けけ、なんだか元気がなさそう。

 そうでなくちゃ。

 揺さぶりは効果的らしい。

 だから、今日は監視せずにのんびりした。

 火は原始的なパワーがある、か。

 さすがはトウジロウくんだ。

 確かに気分が落ち着いた。

 あんまりヒドい手は使いたくない。

 このまま実家に帰ってくれればいい。

 うつにでもなられたら、さすがに気が重い。

 いいことを思いついた。

 1月31日にMを閉じこめておけばいいのだ。

 そうすれば、あの人を刺すことはできない。

 一日だけならば監禁できないだろうか。

 一日だけならば、水だけ置いておけばいい。

 一日くらい食べなくても死なない。

 菓子パンくらいは用意してあげようか。

 ただ、トイレは我慢してもらおう。

 睡眠薬を混ぜるのはどうだ?

 無理だ、手に入らない。

 長沢さんがそういう薬持ってそうだけど。

 スタンガンみたいなもので気絶させるのは?

 防犯グッズをネットであたってみるか。

 力づくってのは?

 協力者が必要か、ダメか。

 倉庫に呼び出して閉じこめるくらいなら?

 それも後で騒ぎになる。

 匿名のメールで呼び出す?

 いや、Mのスマホのアドレスをいじればいい。

 誰か仲のいい人のデータをフリーのメアドに変えておく。

 そうしよう。


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