3月14日の純情

春嵐

α

 可もなく不可もない学生生活が、終わった。

 ドラマや漫画のような展開は起こらず。好きだった後輩には、最後まで声をかけることもなく。


「そもそも」


 年上の女が主人公で年下に純情な作品自体、少ない。

 女子生徒としての人生が終わる。まるで、人生の9割を無駄に過ごしたかのような徒労感。何もなかった。ドラマや漫画なんて嘘だ。嘘ばっかり。


「はあ」


 ため息だけが連続する。一人きりの部室。

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