第7話

ケリーはひとりごちる。ミジタ・ケイディコム・ケージマンは昔は普通の養鶏家だった。

ある時悪い仲間があいつを誘ったんだ、闘鶏賭博に。

それからだ、ルースター・マンが世に現れ、イカれたミジタが鶏たちへ魔の手を伸ばしていった。


ケリーは昔のミジタに可愛がられて育った。その愛情が歪み、ミノと逃げ出した時に糸が切れたんだ。


そして俺はミノと共にルースター・マンとなった。


あの鶏舎を知っているからこそ、潰さねばならない。

だがトサ・ドッグ・マンもアナバス・フィッシュ・マンも強敵だ。トサ・ロングテール・マンを信頼しないわけじゃないがやや危険な賭けだ。


「ミノ、ミルワーム食うか?」

「…いや、それより小松菜がいい」


「そうか、なら俺も小松菜にしよう」


養鶏場は九割買収した。

あとの一割はわけのわからない素性で、卵を生産しているかさえあやしかった。


「おう!久しぶりだな」


突然現れたのはトサ・ロングテール・マンの逆鱗丸だ。


「久しぶりだな、逆鱗丸」

「なにやらおおごとになってきてるようだな」


続く

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