ルースター・マン

ウズ・弥七

第1話

俺はルースターマンだ。

ルース・ターマンではない。ルースター・マンだ。

人間の身体に軍鶏の脳を移植。

闘争本能と身体能力を強化した、それがルースター・マン。

俺は軍鶏に酷いことをしやがる人間を取り締まっている。早速困ってる軍鶏からヘルプが来たようだ。

もうフラフラなのにまだ闘わせようとしてるようだな。

高く高く飛び上がるとシャモ・アイで現場を発見した。一直線に降下、軍鶏をけしかけてる人間の脳天に蹴りを入れた。

蹴爪には人間の平衡感覚をなくす毒めいたモノが仕込まれてる。そいつはフラフラと回るように歩いたあと倒れ込んだ。

すると後ろの小屋から大量の軍鶏が走り出てくる。「ルースター・マンだ!」「俺たちを助けてくださいよ!」

話を聞くとこの人間は軍鶏にドーピングさせてたようだ。薬効に耐えきれず死んでいった奴らが大量にいるそうだ。

噂には聞いたことがある。軍鶏にドーピングや興奮剤を与え苦しめているドンがいると。

そいつを狙って立ち向かったルースター・マンは数知れない。ある者は雌の色香にやられ、ある者はトサ・ドッグ・マンの猛攻に耐えきれなかった。

その男の名はミジタ・ケイディコム・ケージマン。闘鶏界の裏のドンだ。


さて、そう簡単にやれるわけはないさ。

人間には人間の弱点がある。


金だ。


嘴で突けば簡単に穴が開く金。

人間はこんなものに踊らされている。


はるかに尊いコーンなど目もくれずに。


金で人間の殺し屋を雇うのもいい。あいつらは金さえ出せば裏切らない。他にも策はいくらでもある。

まずは金の栽培だ。

ルースター・マンに伝わる秘術。

現ナマを植物に実らせる。


こんなこともあろうかと俺は種子をためておいた。

すぐ見つかる場所じゃダメだ。


俺と同じルースター・マン、ケリー・コッカレルの元を訪れた。奴にも乗ってもらおう。


おい!ケリー!俺だ!ブラック・ミノルカだ!


続く

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