残念なラブコメ

残念なラブコメその５（転）

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・・・俺には現在、気になる人がいる。

その人とは、まともに話したこともない。

あるとすれば一回だけ。

彼女が所属しているサークルに、言いがかりとしか思えないくだらないことをいう奴がいたので、つい口をはさんでしまった際だ。

その時は照れもあってか、まともに話すこともできなかったなぁ・・

そのサークルをかばったのは、出過ぎた事をしたとは思っていない。

実際、ふとしたことで何気なく彼ら、彼女らの舞台を観た際は、「学生ながらやる」と思ったのは嘘ではない。

こう言っては何だけど、親の関係で一流の舞台とか何回か観たから、ある程度良い悪いはわかるつもり。

もちろん、部長と思われる人を始め皆、熱心に「演劇」に取り組んでいるのも感じた。

・・・でも彼女は、その中でもひと際、真剣に取り組んで、いや、向かい合ってると一目で気づいた。

その瞬間、そんなまっすぐな彼女を、好きになっていたんだと思う。

・・・でも、俺は告白する気はない。

この演劇サークルの件で、言いがかりバカが引いたのは、一般論というバックがあったからだと思っている。「俺でなくても、多くの人がおかしいって思うだろ？」ってことだ。

それはいわば、誰にも肩入れしない中立の立場だから言えること。

・・・ここで彼女に、個人的に好意があると思わせるのは、まずい。

残念だけど、あのバカが卒業するか少なくとも手を出せない確証がでるまで、告白は、彼女のためにもすべきではないよね。

さて、もうわかってると思うけど、念のため。

俺の名前は「不破星一」。

気になる相手の人の名前は「日向オキル」さんです。