残念なラブコメその5(起)

私はオキル。日向(ひなた)オキル。


大好きな演劇サークルで、元気に活動してる女子大生です。

自己紹介も5回目かな?聞き飽きたかもだけど、もうちょっとだけ付き合ってください。


・・私には、気になる人がいます。


以前にも同じようなことを聞いた気がするって?

確かに言ったかも・・でも、その時とはちょっとだけ、ううん、ひょっとしたら大きく違うかも知れません。


気になる相手の名前は「不破 星一」、ふわせいいちと言う方です。

同じ大学に通ってる男の人。多分年齢もほとんど同じ。

「やったじゃん!気になるなら告白すれば?」と言う人は、


多分、少なくとも同じ大学の人にはいないと思います・・


結論から言うと、不破さんは大学の超有名人・・どころか、全国的にもかなり知られている人だから。

と言うのも、彼の父親が超大物政治家。母親も有名やり手弁護士。

そして本人自身も、顔良し(何度か頼まれて読者モデルをやったことがあるらしい)、頭良し(学年主席)、運動神経もなかなかの才色兼備。

「運動神経も抜群なら完璧なのにね!」と思う方、・・甘い。

この「なかなか」がポイントなのだよ。

なまじ運動神経良くて、本職の人に勝っちゃったら、・・やっぱり微妙じゃん?

かと言って、手を抜くのはもっと悪い。わかるよね?

だから、本気でやっていい勝負はするけれど、本職の人には負けちゃって、

「はは、及ばずでした。ありがとうございます!」

とかなった方が、相手も周りも好感度高いっしょ?


そう、この「不破 星一」という人物、性格も良いのだ。天は不平等だよね。


だから、噂は耳に入っても、大多数の人が思うように「自分には縁がないな」と私も思ってたんだ。

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