会社の人から聞いた話。さんにんめ、その2。

 またもう一つ、Sさんは恐ろしい体験をした。


 自宅で母親と話していたときだ。

 どうしてそうなったか分からないが、いつの間にか母親は怪談話に興じていた。

 内容は覚えていないがかなり熱狂的な語り口だった。怖くなったSさんが止めるにも関わらず母親はヒートアップしていったが、唐突にその話は終わった。

 パシンッ──

 激しい勢いで電灯の紐が跳ね上がった。

 Sさんも母親も誰もその紐を触れる位置にいない。

 それなのに下から叩かれたように勝手に動いたそれに、とても怖くなったことを覚えている。

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